「上を向いて歩こう」という歌では、上を向いて歩くことで、涙がこぼれないようにしようと訴えている。
これをかなり「うがった考え方」で見てみると、「上を向くことで涙をこぼさずに済むが、同時に涙を溜め込んでいる」と捕らえることができる。
この場合の「涙を溜め込む」は「泣いていることを誰かに悟られてもかまわない」と言い換えられるだろう。
ドライアイにも程度はあるから、涙を溜め込んでいなくてはすぐ白目がしょぼしょぼになってしまうということもない。女優ではないのだから、何かを思い出したタイミングで涙を落とす必要もない。
なので、目をうるうるさせ、それを維持することは「泣いていることを誰かに悟られてもかまわない」ということになるのである
。
いや、むしろ「悟って目のうるうる」くらいのいきおいだ。
となると、それは一見「涙がこぼれないように見せることで、泣いていることを悟られないようにする」という上向き行動と相反する。
例えば、上向き行動で涙のこぼれないようにしているのが「ティッシュがないから」という理由だとしたらどうだろう。
それなら相反さない。
「ティッシュがないから上を向いていたら、泣いていることがばれました」
自然。
しかし歌の意味を察すると、ティッシュの件は考えにくい。
そもそも「悟って目のうるうる」自体も曖昧だ。
「悟って目のうるうる」は、涙がこぼれ落ちる一瞬のインパクトには勝てない。
悟ってほしいのならさっさと涙をこぼれ落ちさせるべきだし、そこでティッシュがないというのは好都合ですらあるから。
さきほどティッシュにつらくあたったので、肯定的にティッシュを扱ってみた。
ないけど。
ともかく、そんな複数の意味を持つ「上を向いて歩くことで、涙がこぼれないように」という行動は、けっこう不確実、不安定な印象をうがった人たちに与える。
カテゴリー: 楽したい
7942の「ターン制」
朝の支度
↓
12ターン
トイレに入ってる人、なかなか出ないな。
↓
5ターン
最近、電車の遅延がひどい。
↓
10ターン
メールの返信が全然来ないけど、届いてんのかな。
↓
3ターン
こんなに何度も挑戦しても瓶のふた開かないんだから、これはもうそういうダミーふただよ。
↓
20ターン
将棋のルール、全然知らないからこのくらいハンデほしい。
↓
3ターン
ホッチキスが貫通しないことがわかったから、もうダブルクリップにする。
↓
2ターン
待ち合わせだってのに、あいつぜんぜん来ないじゃないか。
↓
29ターン
なんだよ女の子と話してるよあいつ。
↓
こりゃ一旦退きますかね
7942の「測定」
7942の「再測定」
ざる
ある有名な女性歌手は、いわゆる「ざる」なのだそうだ。
お酒を飲んでも酔わないということ。
僕は最初の飲酒でひどい目にあって以来、どこかで自制しているのか、あるいは強い方だったのか。
意識を失ったり足下がおぼつかなくなったりすることがない。
しかし大量に飲むわけでもないので、どうも「ざる」トロフィーは獲得できなさそうである。
さて、この「ざる」という言葉。
褒め言葉なのかそうでないのかが気になった。
というのも、例えば会話での「あいつはざるでねえ」というのは、どうも2つの意味を含有していると思われるから。
「あいつはざるでねえ」
「だから、酔っていても話を聞いてくれる」
「だから、こっちがへろへろになっても安心できる」
「あいつはざるでねえ」
「だから、酒がもったいない」
「だから、酔った勢いの話ができない」
「あいつはざるでねえ」
「ウスよりもメジャーなのに、さるかに合戦には参加できなかったんだ」
「猿と名前がかぶるからだって」
前者はポジティブざる。
おそらく、相手の話をちゃんと聞いてくれるし、送り迎えすら期待されてしまう。
対して後者はネガティブざる。
酒がもったいないというのは建前で、それは「いつも一歩引いている、腹を割って話ができない」というネガティブなものの言い換えだろう。
この2つの意味。
おそらくというかもちろん、「ざる」という言葉が使われたシチュエーションによって、使い分けられる。
しかし、僕は「ざる」というものは必ず「ネガティブざる」としての意味だけを持ってもらいたいと思っている。
人間はいつだって、ざるの中には一粒の砂金が残ることを望んでいるわけでして。
ショッキングピンク
今、黒地にショッキングピンクの服装を見かけたら、それは「ファッションセンターしまむら」がその家庭のファッション事情に関与している、と考えて間違いない。
そんなことを知人から聞いた。
確かに、黒地にショッキングピンクの小中学生をよく見かける。
大元は他なのかもしれないが、とにかくこれは小中学生の「黒地にショッキングピンク欲」を見抜いたしまむらを誉めるべきである。
おや。
あの娘は、もうパンツが見えそうなくらい短いスカートで、黒地にショッキングピンクだ。
彼女としまむらの関係は。
しまむら「黒地にショッキングピンクの商品を取り扱っておりますが、パンツが見えそうな点については、しまむらは一切関係ございません」
そうだろう。
パンツの可視不可視は着衣本人の意向によるものだし、それが何に関係するかと言えば、しまむらというよりはむしろ僕らだ。
もう、女子のパンツの件については、左右されっぱなしなのな僕らって!!。
前兆ベスト10
毎度お手抜き企画
=====
ゆうれいたちのバイブル月刊誌を、諸都合により入手しました。
=====
「月刊ぬくもり 11月号」
びっくりさせるだけじゃもう古い!!
あのコをより怖がらせる前兆ベスト10!!
10位
レンジでチンしたサバの味噌煮の中のほうが、室温よりも冷えている、ようにする。
9位
マウスのポインタが動かした方向と逆に動く、ようにする。
8位
照明をつけたり消したり、してみる。
7位
背後に誰かがいるような気配を感じる、ようにする。
6位
本棚から本がどさーっと落ちる、ようにする。
5位
何もしていないのに、シンクがいきなりぼこんと鳴る、ようにする。
4位
道路の向かい側にいる黒猫を、呼んでみる。
3位
見えるか見えないかのぎりぎりのところを、出といてみる。
2位
寝ている相手の四肢をおさえて、身動きとれないようにしてみる。
1位
憑いてる相手の今日1日の行動を書き記したメモを、置いといてみる。
先人たちの知恵です。
缶コーヒー
自動販売機で缶コーヒーを買う。
出てきた缶コーヒーの裏側を見ると、
①マジックで名前が書いてある。
②マジックで製造年月日が書いてある。
どちらもなかなか楽しい。
そしてこれらが楽しいなら、
③25/1000などと、限定品IDが振られている。
④おばあちゃんのひとくちメモが書かれている。
も案外いい。
しかし、やはり俳句がいいだろう。
⑤初孫の 晴れ着うれしや 七五三
⑥指紋消し 兼ねる新作 スマートフォン
⑦我が妻の 寝てる合間に ありがとう
⑧十二機の リックドムが・・・ コンスコン
⑨省エネよと 動かぬ妻に ありがとう
カン捨てやすい、と締めるつもりでしたが「ありがとう」が面白くなってきました。
⑩防犯だ 夫のいびき ありがとう
⑪風邪気味で ほんとは嘘です ありがとう
⑫カードローン マイカーローン ありがとう
⑬あさましい お前のにやけ ありがとう
⑭宇宙人が 銃器片手に ありがとう
⑮十二機の リックドムよ ありがとう
どうもありがとうございました。
ピンポイント夜話
あの日、私は体調が悪くて会社を早退し、早々に帰宅しました。
家では妻がいるはずなのですが、彼女は電話にも出ず、買い物に出かけているようすです。
私は家につくと、妻に置き手紙をしました。
調子が悪いので休んでいる、と。
ふと、体が妙に汗ばんでいるのに気づきました。
熱があるのかもしれません。
少し躊躇しましたが、熱が出ると、次はいつ風呂に入れるか分からないと考えた私は、シャワーの用意をしました。
我が家のシャワーは微調整が難しく、すぐに熱くなったり冷たくなったりします。
風邪気味なので、いつもよりも慎重に調整したのを覚えています。
シャワーからあがっても、妻は帰ってきていませんでした。
置き手紙もそのままです。
パジャマに着替えた私は寝室に入ると、枕元に置いていた風邪薬を手に取りました。
このとき、何とも言えない気持ちになりました。
自分の寝室なのに、ひどい違和感がありました。
しかし、何だろうとあたりを見回しても、それが何なのか、見当もつきません。
その違和感が拭いきれないまま、私は寝ることにしました。
それも調子の悪いせいと思えたからです。
少しだけ背伸びをしてからベッドに潜り込んで一息ついたとき、私はその違和感の原因を知ることができました。
なんと、枕カバーが裏返しだったのです。
こんなことは結婚して20年来、一度もありませんでした。
ベッドから飛び起きた私は枕を手にとり、隅々まで観察しました。
いつも通りの枕です。
しかし、枕カバーが裏返しです。
なぜ妻は、枕カバーを裏返しにしているのか。
私が徐々に恐怖を感じていったとき、家のなかで物音がしました。
妻が帰ってきていたのです。
私は彼女を問いただそうとも思いました。
しかし、居間からものすごい勢いで走ってくる足音がしたとき、そんな考えも吹き飛んでしまいました。
枕カバーを裏返しにした妻が走ってくるのです。
あの、いつもは枕カバーを裏返しにはしない妻が、枕カバーを裏返しにして走ってくるのです。
私はもう調子の悪いことなんか忘れてしまって、2階の窓から飛び降り、人通りの多い道を選んで走り抜きました。
とにかく全速力で走りました。
こうして私は、出家したのです。
暮れのぶんぶん その6
昨日からのつづき。
【あらすじ】
カブトムシのオスがいる。
=====
いま、うちにはカブトムシのペアが一対いる。
もう秋なので寿命は残り少ないだろうが、まだ元気だ。
天然物のメスを捕まえることができたのだ。
バナナストッキングの日から、何か出かける度に、樹液の出ている木を探すのが習慣となった。
小さい頃の記憶を思い出しては、見つけたくぬぎ林を何となく確認。
そうして見つけた木のひとつを夜に訪れたとき、メスを見つけた。
天然物のメス。
その日の晩餐には例によってごきぶりと、コクワガタがいた。
正直触りたくないメンツなので、息を吹きかけてご退去いただく。
これはいつか一本でブログが書けるだろうとか思っているのだが、ある種の昆虫にとって、「退避とは落ちること」である。
それは力を抜くということであり、人間から見ると「緊急時に力を抜くことを知っている」昆虫というのはどうも、という方針で何かおもしろくなりそうな気がするのだ。
ここで書いちゃったけど。
僕の吐息により、ごきぶりとコクワガタは落ちた。
ところがカブトムシのメスはよほど腹が減っていたのか、全く動こうとせず、樹液にブラシを這わせている。
掴むところのないのが難しいが、どうにかしてメスを帽子に入れることができた。
それをそっと包んで自転車を急ぐ。
やっぱり食事中だったというのもあるのだろうか。
自宅についてケースへ入れようとすると、このメスというのが僕の指を掴んで放さない、その類いの週刊誌の見出しを飾りそうな女であることがわかった。
何か付いていたのだろうか。
僕の指先を懸命にブラッシングし、背筋がぞわぞわする。
こんな日はカブトムシであったとしても、女っ気があったほうがいいものだね。
どんな日だ。
ともかく、ここにカブトムシのペアが9月に誕生した。
人間側としては、かなり満足。
暮れのぶんぶん その5
昨日からのつづき。
【あらすじ】
カブトムシのオスがいる。
=====
仕込んだワナを見に行く。
小雨が混じっているので、分は悪いかもしれない。
で、結局バナナのワナでは、カブトムシのメスは捕まえることができなかった。
その、かなり樹液に似たにおいをはなつストッキングに寄ってきた戦果たちは、以下のとおり。
蛾
ごきぶり
あり
これは、バナナのワナを実践したものが伝えるべきことなのだが、バナナの入ったストッキングを木に巻き付けたあとに、焼酎をかけてはいけない。
これをやると木をつたって焼酎が地面に垂れ、それに気づいたありがバナナに大挙してしまうのである。
ワナは小雨まじりの夕方に仕込んだ物であるため、そもそもベストな状態でもカブトムシは来なかったかもしれない。
しかし恐ろしい量のアルゼンチンアリ似のありに、少々の心躍らない蛾、ごきぶりに潰されたワナは、きもかった。
ほんと、焼酎は垂れないように、だ。
ただ、残念だが「何もいませんでした」という結果でなかったことに、僕はかなり満足だっ。
ごきぶりのおかげで、ワナを見に行ったとき、一瞬でも「なんか黒いのいる!!」と興奮できたし。
おおまかにいうと、ごきぶりとカブトムシは大きさといい足の数といい、ほぼ同じといってもいいくらいだし。
まあ、ワナは失敗だった。
ワナはありがたかって大変なことになっていたが回収。
ここで回収しないと、明朝くぬぎの木にバナナストッキングが巻き付いているという、事件になってしまう。
僕としては、バナナストッキングが巻き付いている木というのは、富士山の樹海で見られそうな「事件のあった場所を示すロープ」と同義くらいだ。
ぜったい回収、ぜひ回収。
暮れのぶんぶん その4
昨日からのつづき。
【あらすじ】
カブトムシのオスがいる。
=====
量販店にもないところをみると、9月のカブトムシのメスの需要は案外高いか、忘れられているかだ。
こうなれば天然物をと考えるが、正直なところ、自宅付近でカブトムシを見たことがない。
クヌギの木はあるのだ。
カナブンがたかる木を知っているのだ。
しかしカブトムシは見たことない。
遠い所までは行く気ないため、どうにかしてこの辺で捕まえたい。
これは本腰を入れなければいけないかと考えていると、父親がいいことを思い出した。
先日、カブトムシを捕まえるワナをテレビで紹介していたというのだ。
ストッキングにバナナを入れる。
バナナをつぶす。
焼酎をかける。
木に巻き付けておく。
うがった考え方をすると、そのひとつひとつが淫妖な雰囲気をかもし出す。
あ、ワナというのも、かなりね。
あるいは前衛的なアートに見えるかもしれない。
「男と女のラブゲームを具現化したら、結果こうなりました」でいけるかもしれない。
ともかく、似た方法は聞いたことがある。
さっそく試してみることにする。
70円で買ってきたバナナをストッキングに入れて、ぐりぐりつぶす。
なんとなくイケナイことをやっているような気分になるが、よく考えると実際にイケナイ。
これは、カブトムシが捕れたらそのままエサにしようか。
においはかなり「樹液が醗酵している」に近い。
やはり、バナナは人が食べるバナナではなくなってしまった。
ストッキングをくるくる回しながら、近所のくぬぎ林にやってきた。
さっそくカナブンの木に行ってみると、なんと切られている。
何を考えているんだ、行政は。
子供たちの人気の木だったじゃないか。
誰かハチにでも刺されたのだろうか。
それにしても切るこたないじゃないか。
切り株の上に立って追悼。
仕方ないので近くの木に2つ、ストッキングした。
やつらは深夜ではないらしい。
2時間後の20時に戦果を確認する。
雨が心配。