アイキャッチのあゆみ2

昨日からのつづき。
【あらすじ】
アイキャッチのあけぼの。
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広告用のボードを用意できなかったため、ドラマとCMのあいだを「ひとりゆび相撲」でやりくりしようとしたドラマスタッフ。
その番組進行中は、超おこられることを覚悟していた。
しかし事態は思いもよらない方向へと発展した。
放送局に大量の視聴者からの意見、それはもちろん「あれはいったいなんだったのか」というものだったが、思いのほか怒りの意見は少なかったのである。
むしろ「何だったのかはわからないが、あれは何か今後のドラマに関係した何かなのか」や「スタッフの指きれい」など、番組に好感を抱いたかのような意見が多かったのである。
この意外な出来事を冷静に調査した放送局は、CMの都度にゆび相撲を行う事にした。
まずは試験的に、事態の発生したドラマでそれは行われた。
大いに意味のある試験だった。
放送局にはゆび相撲の熱戦を讃えるものから勝敗のいちゃもんまで、さまざまな意見が届けられた。
ドラマよりも、むしろゆび相撲を見るためにテレビをつける、という人まで現れた。
CM前のゆび相撲が、視聴者をくぎづけにする要素になったのである。
当時、この生放送ドラマ「おまえの内股でこの手をぬくめたい」の内容に変更が加えられた事が、その影響をよく示している。
もともと野球の選手だった主人公がゆび相撲の選手に変更、最終回は、傷だらけの指先を自分の内股に挟むシーンで終わるラストを迎えることになったのである。
このゆび相撲中継が、アイキャッチのはじまりであると認識されている。
そしてすぐに、アイキャッチは転機を迎える。
ポイントになるのは、漫然と人々が胸にしまい込んでいた「ドラマを見ているのか、ゆび相撲を見ているのか、わからなくなった」という点。
これに対し、2つの方法が提示される。
・ゆび相撲中継の合間に、ドラマじみたCMを挿入する
・あくまでドラマ本意とし、ドラマとCM間の合間(すなわち今日のアイキャッチ)はドラマと関連した内容を放映する
次回。

アイキャッチのあゆみ

?アイキャッチのあけぼの?
アイキャッチ
番組前後や番組中のCM前後に5秒ほど挿入される番組のタイトルや象徴のこと
例)
ルパン三世:CM前後に挿入されるルパンが普通自動車に乗り込もうとしてハンドルが外れての「あり?」
推理サスペンス:CM前に挿入される最初1時間分のダイジェスト
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アイキャッチのはじまりは、多くの人が予想する「いきなり番組がはじまるのもなんだから、さあいまからはじまるよという感じのものを挿入しよう」という発想からではないことが知られている。
1964年、アメリカで放映されていた「おまえの内股でこの手をぬくめたい」は、生放送が売りの超人気ドラマだった。
この時代でも、既にCMに相当する時間がドラマ中でもうけられており、それはそのタイミングでスタッフがカメラ前に広告のボードをかざすという方式だった。
その日、順調にドラマは進行していた。
「ああさっぶい。さっぶいねえ」
「そうね」
「ねえほんと、さっぶいねえ。指先の感覚が全然戻らないよ」
「ええ」
「なあ見て、俺の内股。ほらもう手の跡の凍傷が」
「わあひどい」
「手が冷たすぎて。もう全然、自身の内股使えないのよ」
「ええ」
「使いたいわー。内股使いたいわー」
「で、わたしの内股にもその手形を残す気?」
本来、ここでCMの予定だった。
しかしこの日は計算外のことが起きたのである。
それは予定していた時間よりも、ずいぶんと早くドラマが進行してしまっていたこと。
スタッフがCMの準備としての広告ボードを全く用意していなかったのである。
一見、そのようなボードは既に用意されていると考えられると思うが、当時は広告主から、放送の寸前に内容を変更するよう求められる事が当たり前のように行われていた。
「ここの【あたり一面別世界】のところ。ここを【皮フをはさんで別世界】に直してくれ」
そのため、時間ぎりぎりまでスタッフは準備をしていなかった。
さて、ドラマの出演者がCMだと考えていたところで、スタッフには何も出す物がなかったのである。
CMが始まるものと動きを停止した出演者、状況を把握し青ざめる現場の人間が見たもの。
それは広告ボード担当のスタッフがカメラ前で「ひとりゆび相撲」をやるシーンだった。
誰もがアイデアを出せなかったなか、彼はひとりでゆび相撲をやった。
画面には両手だけが映し出されており、それがひとりでやる以上しかたがないのだが、親指が上下に向いた組み手だったという。
上下の親指が相手なくぱたぱた動いている間、別のスタッフが急遽広告ボードを用意、10秒ほどのち、CMが行われた。
CM後、何事もなくドラマが進むなか。
スタッフ全員は番組終了後のことを考えると滅入ってしかたがなかったという。
つづく。

換算

オーストラリア?オーストリア換算を用いると、オーケストラはオーケストラリアになり、より安定性が増すことが知られている。
嘘である。
換算できたとしても、我々はオーケストラリアというものを知らず、それは全然安定していない。
サーチエンジンで検索しても「オーストラリアではありませんか?」などと、丁重にオーケストラリアの存在を否定してくれる。
一方、同換算を用いるとオーケストラはオーケストラリアではなくオーケストリアになる報告もある。
これもいまいち信用おけない感じだが、早口で「オーケストリア」と言うとほぼ「オーケストラ」になるため、安定性は比較的高い。
これを書いている間、僕自身はどんどん安定しなくなってきたが。

うに

うにをちゃんと食べた事がない。
いわゆる食わず嫌いなのだが、正直食欲をそそられる要素がひとつもない。
黒いし固いし、とげなのである。
しかも彼らは、すごくゆっくりと動いている。
すごくゆっくりと動いているものは、何かすごくこちらの次元とは違うことを考えていそうで、気味が悪い。
しかし多くの人はそれをおいしがる。
まあそうなのだろう。
さて、先ほど触れたが、うにはとげのある事が知られている。
うに好きの人はそれがあたかも「おいしさ」を守るためのものと思われているかもしれないが、実はあれ、うに自身の「いのち」を守っているものである。
おいしいものとは全ていのち由来なのである。
おいしい、言い換えれば栄養があり、毒がないとなるか。
自分のいのちがおいしくなければ、天敵なんていなくなるのに。
そう思っている自然界在籍の生物は思っているだろう。
しかし自分自身はおいしいものを欲しており、事実取得しているわけだから、結果的に自分もおいしくなってしまう。
ふぐは例外かもしれないが、多くの生物はこの関係に属している。
食物連鎖はおいしさの伝播もかねていて、そのつながりを断ち切るには「おいしくないものを取得し、おいしくないものを産出する」ことが必要なのである。
今、どきりとした。

武器庫

ビルの屋上に設置されている備品の多くはスーパーロボットの装備品であることはあまり知られていないが、実はそうである。
事実、なんだかかっこいい形をしているので、間違いない。
エヴァンゲリオンみたいなものである。
怪獣が現れたとき、どこからか現れたロボはビルの屋上をさらう。
そして僕らがビルの屋上にあるなんだかかっこいい備品と思っていた物を手に取る。
それは電気を流す武具だったのだ。
そして派手な市街戦を行うのである。
よって、ロボはビル群ですごく強い。
一方、上記理由により山奥や未踏の地ではその力を発揮できないだろう。
観衆がいないから、なおさら。

得点圏内

前回、遊びがどうこう書いているうちに、何となく思えてきた。
遊びとは何なのだろうか。
例えば、人はマンホールを踏むと1点であると考えている。
「何が?」という気もするが、とにかく揺るがなく1点である。
得点が入るとなると、それは他人よりも高得点を狙いたいよね感が人には芽生えるため、こぞってマンホールを求めることになる。
これが交通事故の原因(真の)第二位であるわけだが、この競技は「遊び」と言えるのだろうか。
一方、現在の「遊び」の代表格のひとつ、「テレビゲーム」はどうだろう。
オンラインで対戦を行うゲームもあれば、ひとりですべて閉じるゲームもある。
これらの、何の要因が「遊び」なのだろうか。
幼少からよくテレビゲームをしている人は「自分にもAボタンBボタンがあるはずだ」と考えたことが少なからずあるだろう。
100m走のとき、思わず右乳首を親指で押しながら走ってしまう子がいるのは、よくある話だ。
はたまた「自分にも十字キーがあるはずだ」と考え、BCGの跡を指でなぞる子もいる。
さらには「自分にもジョイスティックがあるはずだ」と考え、まあ特に書かないが、そんな子もいる。
これらは「遊び」の何を取り違えたことによる行動なのだろうか。
遊ぶというのは、むずかしい。
追記
ちなみに四角いマンホールは2点である。

昼食2

【昨日からの派生】
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最近、昼ご飯を抜いてでもクレアラシルばかり食べている。
ちょっと医薬品だ。
何やら肌にやさしいマイルドタイプが出たのだ。
それには成分がふたつ入っていて、それはよく効くクレアラと、ソーダ的なしゅわしゅわする、汁だ。
僕は汁が好きだ。
いやしかしクレアラのほうもなかなかなので実際のところ、引き分けだ。
以前書いたかもしれないが、幼少の頃もだいぶクレアラシルばかり食べていた。
虫歯は、確実に汁が生成した。
そのころは「クレアラシル強香性」というものがあり、その臭気がたまらなかった。
これをビフナイトと交互に食していると、何やら「ビフナイトのビフって、何」という疑問が芽生えたものだ。
しかしこの「クレアラシル強香性」もいつの間にかなくなり、僕の嗜好は、まあ異性とかに浮気をし、強香性の時代は終わった。
そんななかでの「マイルドタイプ」。
久々に歯を溶かしまくっている感じだ。
一方、もうひとつ気に入っているものがある。
「人や地球、すべてを大切にしよう」という思想なのだが、これは以前「ガリレオ」という名前だった。
いや、基本概念とか違うのかもしれないが、正直「ガリレオ」以外の何者でもなかった、「人や地球、すべてを大切にしよう」。
これは大切だ。
仮面ライダーにおける、おやっさんみたいだ。
じゃあ大切のは、まずはおやっさんなんじゃないかとも言えるのだが、「人や地球、すべてを大切にしよう」はおやっさんも含まれている。
これ、おやっさんも含まれているのである。
「人や地球、すべてを大切にしよう」と内心思いながら、背中にバッタの止まっている人なんかを見て見ぬ振りすることが、もっぱらな近況である。
ということで、この2つが適当に書いたことだ。
調子出ないのも当然といったところで、誰のせいにもできんなの本音も。

名場面集

今日はこれまでずいぶん続いてきたこのブログの、名場面をお送りいたします。
・今宵は脱腸最前線(11月2日)
この回はすごかったですね。
軽度で何よりだったんですが、それよりも最前線って、どこから見て最前線というべきか、そこがホットトピックになっていました。
・保護した野鳥をキュッ!!(10月16日)
この回もかなりスリリングでした。
題名で誤解を招いたのが、いけなかったですね。
甘酢がどうこう書いたのも、いけなかったですね。
・ヒョウモンダコで一杯(2月9日)
ちまたで話題のヒョウモンダコにいち早く吸い付いた回。
確かこいつは噛まれるとマズイらしいが、食べるにしても毒がフグ毒であるため、だったらまだフグ食うよ、といった内容でお酒を飲んだりしました。
・夢を信じて詰め放題(7月20日)
夢を定量化する難題に挑戦しました。
ビニール袋をどのくらい伸ばし広げるかが、焦点でしたね。
・四国八十八箇所=8(4国+箇所)
そんなときもあったよね、と感慨深くなる企画でした。
お遍路さんからは「大変なんだけど、これを見たらなんとなくイケる気がしてきました」と好評でした。
以上、名場面でした。
追記
列挙した内容は、本ブログにはありません。
ごみん。

捕手

野球ニュースで「打たせて取るピッチング」と聞くと、なんとなく覚せい剤のこと?。
そんなふうに考えてしまうのはそう。
それほど野球に興味がないからなんだろう。
ところが、だ。
ある警察署内の映像がテレビで流れたのだが、そこに大きく「打たせて捕ろう 覚せい剤」と掲げられているじゃないか。
なにやら不穏な、法的でない。
ノルマ、おとり鮎的ものを感じずにはいられないが、そういう方針なら仕方がない。
有名な「覚せい剤打たずに ホームラン打とう」という例のやつがあるけど、これを混ぜてみたら「覚せい剤打たずにホームラン打たせて捕ろう 覚せい剤」となり、分からないなりに病気がちな少年が明日打ってねと願ったホームランのような感じもする。
それにしても気になるのは「打たせないようにすることはできないのか」というところだ。
打たれなければいいに決まっていると思うのだが。
でも、方針なら仕方がない。
「打たせて捕る」んである。
ある警察署。
どうもそのスタンスが「肩の弱いキャッチャー」と同じと考えられちゃうのは、なぜか。

ふたの今後

昨日からのつづき。
【概要】
?ふたのあけぼの?
原始的なふたの誕生
?体系確立?
カスタネット保存法
?近代におけるふた?
貝飯の発見
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?現代のふた?
嬉々として貝飯を持ち帰った学者を待ち受けていたのは、既に完成された「ふた」であった。
微生物のダンス披露から、醗酵腐敗の詳細がめざましく解析されていった17世紀以降では、もはやカスタネットがどうこうが保存方法に関与する余地はなく、密封性と利便性の高い「ふた」が開発されていたのである。
学者は三代に渡る海水浴旅行を悔やみ、口を閉ざしたという。
現在、「ふた」は食物の保存だけでなく、外部からの衝撃に対する耐性などの獲得にも使用されている。
例えばアンチョビ缶詰の上で、大切にしていた形見の懐中時計を落下したとしても、ふたがあればアンチョビ、時計ともに無事なのである。
それほど現代において、ふたは重要なものとなっている。
ただし、その「ふた」も、完成された形に至るまで、様々な試行錯誤の連続であったことは、よく知られたことであり、それは今でも形を変え、続けられている。
【成功のほう】
サランラップ
タッパー
おとしぶた
ねじり式
真空パック
つまみ付き
アルミホイル
施錠
マスク
【錯誤のほう】
ざぶとん
白子のり
ネットブック
えびせん
パイ
蓮の葉
ライスペーパー
このような変遷を経て、現在の「ふた」は完全なものに近づいている。
しかし、その進化はとまらない。
今後、以下のような「ふた」が誕生すると見込まれている。
ビームによる侵入者排除
ハイテク網戸
絶対に開かないふた
命令するとくるくる回りだし、勝手に開くふた
食べられるふた
チャット機能付き
中身の取り出せるふた
このラインナップでは、ふたの発展が期待されるばかりである。
ふたの未来は明るい。