「ハチの諸君も注意してください」

モノレールの駅に停車した際、一枚の張り紙が目に入った。
「ハチに注意してください。」
ハチを出さないようにする気は無いようである。
だが、ハチの巣を取るよりは、張り紙で注意を促すだけに留めるとした駅員の対処は、どことなく共感を覚える。
危険なもの、いらないものを排除する考えは、時としてブーである。
極端なまでにそのような思想に傾倒してしまうと、国際的な宗教問題に発展したり、村八分的な感じになったり、3人男兄弟の次男がグレたり、鬼ごっこのとき、一人だけ幼稚園児がいたりして「保護しつつも、オニしつつも、逃げも」のようになってしまい、順番に問題が軽くなっているようで申し訳ない。
だが、ある本には「狭い地域での問題は、広い地域のそれよりも深化しやすい」とある。
次男がグレたりするのも、決して軽い問題ではないことは、わかってほしい。
ということで、みんなでハチの巣を暖かく見守るけど、あんまり危ないようだったら何か起こる前に取っちゃった方がいいよ、という話である。

チラシズム

今まで「号外」なるものに出会ったことがありません。
テレビなんかでは、景気よく配っているのにね。
こないだうろうろしていたら、駅前に立って美容室の割引券を配っていた女の子が「ニュースです」と言っていました。
こじんまりしてるな、ニュース。
でも、なかなかチラシ受け取ってもらえないだろうから、このくらいの誇張は許されそう。
それに、歩行者の中には一日中ヘナを探し続けていた人がいるかもしれません。
「え、えぇっ!!。あの、ターバン印のヘナが、こんなに安いの!?。」
当方ヘナ無知ですが、こんな感じで感謝されます。
さて、こういうチラシを受け取ってもらうには、色々なテクニックがありそうです。
どんなもんでしょうか。
今、バイト中のあなたは、てんこ盛りのチラシを前に呆然としています。
先輩の話を聞かなかったので、どうすればよいのか分かりません。
そこで、僕が教えてあげよう。
以下、嘘ですけど。
・「ついにあの悠久調査団が、幻の動物ラルパカの捕獲に成功しました!!。」とか言いながら渡す。
・チラシを嗅ぎながら「あれ、ちょっ、何か、こんないい匂いしたっけ、あれ・・・。」と言いながら渡す。
・チラシの束を道端に置いておき、その少し手前に両面テープをばら撒いておく。
こうしてごらん。
チラシは少なくなっていくはずだ。
君の立ち位置から5m先のことは、知らないけどね。
ん?。
そんな汚いやり方は、嫌だって?。
・・・いいやつだ、君は。
では、こんなのはどうだい?。
・改札で定期を入れると、定期と一緒にチラシも出てくる。
・雨が降り出すといっせいに店頭に並ぶビニール傘に、もうチラシの内容が書いてある。
・チラシを処分したのち「テレパシーで不特定多数に送信しておきました。」と報告する。
ん?。
そんなの、俺にどうしろって?。
・・・的確なやつだ、君は。

船頭多くして

ゴールデンウィークに立てた、唯一のイベントは「モノレールに乗る」ことでした。
有言実行。
なかなかよかった。
静かで、眺めもいい。
車両もきれい。
速度がゆっくりめだから、急いでない分には心地よい。
また乗ろっと。
初モノレール乗車でわかったことは、先頭車両の最前列は、子供たちのものであるということでした。

もはや「くれよん」

最近行くようになった喫茶店は、雑多である。
でも、コーヒーがおいしいので「雑多も味あるんじゃね?。」みたいな感じだ。
ふと、喫茶店によくある「雑誌置き場コーナー」に目をやる。
表紙いっぱいに松本人志の顔。いつかのAERAらしい。
ところが、他の店でも時折見られる、本に店名を書くことを、この店でもやっていた。
松本人志の鼻筋に、大きく縦書きで「くれよん」とあった。
・・・肖像権、ここまではフォローできないだろう。
追記
店名は仮名。
でも、本当の名前も「くれよん」に勝るとも劣らない感じでした。

健康診断その4

昨日からの続き。
【あらすじ】
採血後。
電車の遅れる理由
・いつもより酸素が多い
・運転手よりも車掌の方のやる気がある
・テリーマンが子犬を救っている
・乗客が進行方向に向かって、一斉にため息をついてしまっている
・学校、会社に行きたくないという気持ち
・電車の予想をはるかに超えた乗車率
・近くにスピードを競い合えるライバルがいない(いつもはいる)
・ドラクエの発売日でない
・事故や安全確認、ホームでの混雑
え?。
・・・あぁ。
採血。
採血の後ね?。
なんか、身体測定をしたんだけど。
まぁ、身長測ったときに「低くなってる・・・」って言うのは、一種の挨拶である、みたいなことをおもしろ風に書く予定だったよ。
あと、視力検査の「c」を見る、あれね。
あれ、パターンなんだよね。
これも「わっかの空いている向き」が「上上下下左右左右BA」の順だったとか、おもしろ風に書く予定だったよ。
そこから「僕が左、右を覚えられたのはグラディウスのおかげ」的なオチにする予定だったよ。
そして帰りにゲーセンで銃を撃つゲームをやったから、腕のちくちくはダダダダになったよ。
そんなこんなの健康死んだん。
結果はまだ出ていないけど、僕の健康は死んでいないと信じてます。
それにしても、冒頭の電車のくだりはまじめな人は怒りそう。
まじめな人!!。
冒頭のは、フィックションです!!。
うん。
・・・風邪ひいたな・・・。
健康診断、おわり。

健康診断その3

昨日からの続き。
【あらすじ】
検尿後。
尿の入ったコップを指定場所に置き、僕は受付へ向かう。
周りには腕を押さえた検体たちが。
次は採血、注射だ。
先日、注射がいけない点として「刺さるのが分かっちゃってる」というのを挙げたが、それ以外もある。
僕は採血係の人にカルテっぽいものを渡し、順番を待つ。
この、注射の順番を待つ時間が、いけない。
生きた心地がしない。
この気持ちは、刑の執行を目前に控えた死刑囚か、忘年会で一発芸を強要され、並ばされた新入生か。
でも、僕が待ち続けているものは「絞首」でも「電気椅子」でも「電車に乗り遅れた人のものまね」でも「スプーン曲げ」でも「薬師丸ひろ子のものまね」でもなく、血管の貞操を破り続けてきたおばちゃんなのである(ものまね多いな・・・)。
この辺から記憶が虚ろなのですが、おばちゃんは
「てをぐーにして」やら、
「ききてじゃないほうねー」やら、
「はいすいませんねー」やら、
「おさえといてねー」
とか言ってた。
僕はなんとなく、
「皮膚というのは、お前のような侵入者から防御するためにあんねん。」
と針に向かって思った。
採血が終了した。
パッチを患部(おおげさ)にあてがいながら、今日のイベントの90%以上が終了したことを悟る。
ちなみに残り10%は「注射した方の腕はちくちくするから動かさないようにする」と「お風呂には入ってもよいのか」ということ。
今日中は、腕がちくちくする度に、針が刺されたことを思い出すに違いない。
終わったはずなのに、不快な残留感を味わなければならないことも、注射のいけない点だ。
でも、次の戦場「身体測定コーナー」へ向かうとき、この世には「注射が好きでたまらない」人たちも多く存在しているらしいことを記載した本を思い出した。
「どんな人たちなんだろうなぁ・・・。」
パッチが赤くにじむ。

健康診断その2

昨日からの続き。
【あらすじ】
健康診断に行った。
一見、健康診断なんて出来なさそうなビルの何階かのトイレで、僕は紙コップを片手に困惑していた。
「検尿」である。
「尿を取ってきてください。トイレはあちらです。」
紙コップを渡された僕は、そのとき初めて自分が検尿について無知であることに気付いた。
「してる最中に一回遮断し、コップに入れるだけじゃないか。」
こう言う人もいるだろう。
しかし、その動き。
日常生活の中ではまずない動きだ。
簡単だと言う人は、
・イメージトレーニングが出来ている。
・一年前のことを鮮明に思い出せる。
・上司のお茶に中間尿をプラスすることにしている。
のどれかだ。
・・・うん。
良くない流れだ。
なので、検尿の話に戻す。
慣れない動きでコップに尿を注ぐ。
「ぼ、僕は何をやっているんだろう・・・。」
揺れる想い。
でも、そんな曖昧な気持ちはすぐに払拭された。
「栄養洩れてます」的な色をした尿が、僕を狼狽させたのである。
・・・
今日は、どんなベクトルを取ろうとも、尿。
健康診断だから、仕方ないか・・・。
明日は採血について。

健康診断

そこそこ歳をとっていれば、誰だって「俺、ここ悪いんとちゃう・・・?。」という部分があるはず。
このような思いは、第三者に「君は健康みたいね。」と言われれば即座に払拭されるに違いありません。
お医者さん、テレビ番組、星座占い、おみくじ、小学校高学年・・・。
程度の差はあれど、どれもその力を持ちます。
「健康診断」。
僕だって冒頭に書いたようなことを考えたりしますが、健康診断に行くくらいなら第三者に「お前は親孝行を早めにしとけ」とか言われた方がいいとすら思ってます。
(ところで、上記の第三者はいいこと言うてる。)
「健康診断」が苦手なのです。
もちろん、健康を維持するために必然的に行われなければならないものだということは認識しているつもりなんですが。
でも、採血が。
注射がいけない。
何がいけないかって、痛い上に、刺さることが分かっちゃっているのが、いけない。
寝てる間とか、土だんごを作っているときとか、猫と遊んでいるときに、さりげなくしていただいたら、たぶん気付かないと思う。
特に猫と遊んでいるときなどは、ひっかかれたと思うだろう。
しかし、注射を打つときは、まずスースーする脱脂綿で被害予定箇所を入念に拭かれる。
そして、「チクッとしますよ」という、痛みをなんら緩衝しないことを言われるのです。
そんなこんなで健康診断2007。
行ってきた。
あと3回くらいやる。
続く。

私のために争わないで。

このまえ僕にかかってきた電話は、「ADSLから光にしろ」というものだった。
「光」にすることになった。
現在のプロバイダとは違うところなので、そこにはサービスお断りの電話をしなくてはならない。
光のくだんを断れなかった僕が、サービスお断りをできるだろうか。
難しい世の中である。

豆も小麦も厳選素材

初めての喫茶店で、「マイルドブレンド」なるものを注文する。
飲みやすさを重視しました、とのふれこみ。
僕は「おいしいコーヒーを出す喫茶店」と「焼きうどん」との関係を綴った本に、2冊出会っている。
どちらも要約で申し訳ないが、「喫茶店で焼きうどんがメニューにある」ことに否定的だった。
しかし、僕は「食べ合わせ」とか「食べる順番」をあまり気にしない。
焼きうどんを出す喫茶店は、おいしいコーヒーとおいしい焼きうどんを出してくれさえすればいいのである。
ただ、「焼きうどん」を出す喫茶店は、結局は他のところもよろしくない可能性が高いことを、否定はしないが。
「マイルドブレンド」を飲む。
尋常じゃなく飲みやすい。
この、「飲みやすい」という印象は、当たり前だが「飲みにくい」という前例があってのものだ。
しかし、その前例だって、今まではおいしく飲ませていただいたコーヒーである。これからだっておいしいと感じることだろう。
ただ、今まで飲んでいたコーヒーが、思いのほか苦味の効いているものであることが判明したのだ。
僕が最近飲み続けていたコーヒーは、ただ、一種類だったのである。
それが別種類の介入により、やっと「唯一」という存在から開放された。
人間、「初めて」や「1パターン」で物事を終わらせるのは、危険だ。
2回目以降。
2回目以降である。
焼きうどんのくだんも、1冊だったらここでは取り上げない。
この日、僕は「飲みやすいコーヒー」と「飲みにくいコーヒー」を手に入れた。
おめでとう、僕。