三味2

【前回までのあらすじ】

必殺仕事人の三味線を使う人が人を殺めるときの音階が知りたい。

僕の中では、絶対のこの音階であってはくれるな、というものがあり、それは「ファ」である。

なぜかというと、僕としては「ファ」は愉快な、ポップな音階であって、それが人を殺めるなんて思いたくないからだ。

何せ、この「人を殺める」は、「音で殺るぞ‼」青春バンドシーンではなく、歌でなんか、うまいこと仲良くなりましたというマクロス的なものでもない。

だいぶ直接的に殺めにかかっている。

あの、仕事人の「三味を使って悪人を殺める一連の仕組み」が楽器という可能性も否定はできない。

となると、どうしても音階が知る必要があるのだ。可能な音域であるとか、吊るす高さで音を変えられるのか、など。

ただ、僕がたどり着けたのは「ファ」はやだな、という感覚的なものでしかなかった。

この話の終点は、この話で絡んでいた相手がさらりと言ってのけた。そりゃあ「シ」でしょうよ、と。

相手がバーのマスタでよかった、「シ」に気づけなかったことを、酔っているからと言い訳できるから。

それにしても「三味を使って悪人を殺める一連の仕組み」が楽器という可能性は、ちょっとご飯何倍でも行けそうな感じですな。

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