おまえスペシャル。

本当にずっと、絵が苦手である。
中学のころに書いた人物画は全て同じ方向をむき、ほおづえは手刀となる。
うつろな瞳はまあ、何かよろしくないことを彷彿とさせるのだった。
そんな僕も、長期にわたる落書きチャレンジのおかげで「全然うまくないけど、一見して何かは分かる」程度の絵心を取得できたようす。
らくがきを見た者は口々に「何を書きたかったのかは分かる」というのだ。
それにしてもスペシャルマンの胸元のナンバリングは何だったろうか。
何かというと、深夜にらくがきをしていたのだ。
そのときは調子がよくて「ヘーベルハウスに登場するひつじのパペット」が非常に納得できるできになっていたりした。
そんな流れでの「スペシャルマン」。
確かキン肉マンに出てくる超人で、有名どころには一歩以上劣るがちょいちょい登場するやつだった。
彼の特徴は覚えていた。
昔のテレビを思い浮かべるとき、それについているアンテナ。
あるいは恒星のまわりを回る惑星の軌跡。
そんな感じのものが額についている。
スペシャルマンはそんな面持ちのほかに、確か胸元に数字が書いてあるのが特徴だったように思う。
しかし、それが思い出せない。
僕のスペシャルマンは何か叫んだような感じになってしまったが、それはナンバリングが施されていないがための、何らかの主張のようにもとらえられる。
89だった気がする。
しかしスペシャルだろうか、89。
100に11足らない数。
1から9までの九九の範囲を、少し超えたとしても1以外では登場しない数。
世界が89進数だったらスペシャルかもしれないが、今のところあまり映えない89。
こまった!!。
正解
99のよう。
しかも額に「S」、胸元の99の上には「SPECIAL」ってあるみたい。
「おれのナンバーは99で、しかもSもSPECIALもねえ!!」。
「もはや書き直しの域だよ!!」って、僕のらくがきは叫んでいたみたいだ。

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