ふたのあゆみ

?ふたのあけぼの?
大昔、人々は保存に回すほどの、言い換えると「ふた」が必要なほどの食物を手に入れることはできず、そのメリットも少なかった。
食物を手に入れることはいくらか危険を伴うものであったし、一方手に入れようと思えば周りにいくらでもある、そういった環境だったからだ。
そんななか、一部の熱帯地方に住む人々の間では、スコールによって食物が濡れないように、動物の頭骨内に食物をつめていた。
これがもっとも原始的な「ふた」の形と考えられている。
図:雨をしのぐ人を表した壁画
互●   |||
   ● ● ●|
   \ぬ\    ぬ
   互     互  
?体系確立?
16世紀まで、原始的な「ふた」は存在したが、基本的には人々は食物をほったらかしであった。
よって、運がよければ乾燥し保存が効くものになっていたが、大抵は腐らせていたである。
しかし人々はこれを仕方のないことだと考えていた。
「私があなたを愛さないことは、物が腐らないことと同じくらい、ありえないことである」
16世紀の劇作家ヤキミソの言葉が有名である。
しかし17世紀初頭、哲学者エトークは、安かったために買いすぎた食物を目の前に、「どうにかこの食材を明日へ持ち越すことができないか」と考えた。
そこで彼は以下のことを試した。
・土に埋める
・ときおり、暖かい息を吹きかける
・ストッキングに入れて振り回す
・つぶす
・わきの下に入れておく
これらの方法はうまくいかず、腐るか、自分がいやになるかだけであった。
しかし唯一、長持ちした方法が見出される。
それが「カスタネットの中に入れてみる」であった。
今日では、カスタネットの上部分が「ふた」の役割を果たしたことは想像に難くないが、当時としては画期的な発見であった。
「カスタネットに食物を入れておくと、腐らないことがある」
エトークの発表に人々は驚き、翌日楽器店は大騒ぎとなった。
明日
?近代における「ふた」?

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