礼儀を知らない音

昨日から。
【あらすじ】
「花火に消された言葉」。
言葉や音楽、すなわち音というものは、より大きな音に消されるものである。
それはしょうがないことであるが、もちろん消されることがイカンこともあれば、消されることでむしろそのときがより意味深いものとなったりして、いろいろだ。
本日は、上記のことを考えていたら見つかった「礼儀を知らない音」について。
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「礼儀を知らない音」。
勝手に考えたが、その割には思い当たるフシがいくつかありそうではある。
おなら
葬式中の着メロ
カラオケで娘がいる人の前で歌う「娘がねじれる時」
時代劇撮影中のヘリコプター音
怪我をしている人の周りのシャッター音
しかし、ここでの「礼儀を知らない音」は、先日から論じている「消される音」についてのもので、そしてもっと広い意味で扱うものである。
それは「中途半端な音量であるもの」。
それ以外の何者でもない。
花火の音なら、どんないいことを言ったとしても、聞こえなくていい。
汽笛の音に、君を呼ぶ声が遮られても、なんだか心象悪くない。
重要なのは、これらが「音を完全に消してくれる」点である。
要は大音量ということだ。
では、「中途半端な音量であるもの」が「礼儀を知らない音」である原因を考えてみよう。
ここで扱う「中途半端な音量であるもの」は「ちり紙交換」のアナウンスである。
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男「なあ、もうそろそろ、ご両親と会っておきたいんだ。」
女「え、それって、どういう意味・・・?」
ちり紙交換「古新聞、古雑誌。」
男「君が好きなんだ。」
ちり紙交換「ぼろきれ。」
女「あ?」
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うわあ。
せっかくの告白が、中途半端な音量であるものに邪魔され、相手にとっては「何か言ったが、よく分からない」言葉になってしまった。
これが「音を完全に消してくれるもの」であれば、相手は「相手の言ったことは完全に消されてしまった」と理解でき、その場の雰囲気でそのことを聞き返す、もしくはそのままにする、などできるのである。
しかし「中途半端な音量であるもの」については、もう少しで何を言ったのかを判断することができるため、相手としては率先して言ったことを確認しよう、というあせり、衝動が生じてしまう。
このとき、重大発言をした側としては、重要なことや思い切ったことを再度喋るという点に、つらいものがある。
さらに礼儀という点では、相手の言ったことを聞き返す行為自体が「礼儀を知らない」点として挙げられる。
この例では、彼女は「あ?」と聞き返している。
これは相手、つらい。
別の彼女なんかになると、
「あ?」
「あに?」
「あんだって?」
と続き、さらにつらい。
何がつらいかって、「あ?」と聞き返してるときの人の顔は、ひどい。
「え?」という聞き返しも、そうでもないかもしれないけど、やはり聞き返されてるという点で、つらい。
これは別に、彼女が悪いわけではなくて、完全にちり紙交換「礼儀を知らない音」のせいなのだ。
また、この例では、彼決死の告白を古雑誌とぼろきれでサンドイッチしている点も、礼儀知らずだ。
一方、ちり紙交換のアナウンスがもっと大音量であったなら、例えば彼女は、その車が去るのを待ってから、あらためて聞き直すことをしたりでき、問題ないのだ。
以上より、「礼儀を知らない音」とは「中途半端な音量であるもの」なのである。
そして、ある言葉、音を消す場合は、それを消すときに発する音の音量が重要なのである。
・・・やっぱり、賛同を表す歓声は聞こえないな・・・。

「礼儀を知らない音」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    賛同の声が届きました。ありがとう。
    確かに、さおだけの声に会話を遮られると、なんとなく負けた気になりますな。

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