仮小屋

「やっぱり、アフターが更地だって選択肢もあると思うよ」
「いや、確かにぼろぼろの家だったけど、それはどうなんだろう。もっとちゃんと考えるべきだったよ」
「そんなことはない」
「そう強がっても、頭のなかじゃどこで泊めてもらうかばかり考えているんだろ」

前略

「前略」はもっと汎用的であって問題ないと思う。
使用する事により、伝えたい事がより明確になることもあるだろうし。
「前略 お金を送ってください」
本来、お金を送ってもらうときは、その理由であるとか申し訳ない事であるとかを示すべきだ。
しかし略した。
急ぎの用なのである。
「前略 自転車泥棒様へ」
これはこわい。
略した経緯を考えるだけでも怖いが、おそらくは怒りが言語を超えるか、見るに耐えない文面になってしまうから、略したのだろう。
「前略 ち?ずふぉんでゅさんへ」
一見、あだ名だかオフ会だかでの、ひとこまのように見える。
しかしよく考えてみると、「ち?ずふぉんでゅ」というのはあまり聞かれない。
ゆえに、「ち?ずふぉんでゅ」さんのことを知らない人にとっては、「前略」された部分は本来必要なのである。
おそらく略された部分には「ち?ずふぉんでゅ」さんが「ち?ずふぉんでゅ」たる要因が含まれているのだろう。
「ああそれじゃしょうがねえ。ち?ずふぉんでゅだ」
納得の理由である。
しかし、そこを略した。
これは「わたしはあなたのことをすごくよく知っています」を表している。
「前略 だめでした」
とかく我々は「略した部分を聞かせてごらん。だめだった原因がわかるかも知れないよ」と考えがちだ。
しかしこの文面から手に取るようにわかるのは、あきらめだけである。
あきらめているものに原因を示すのは、息の根を止めるのに等しい。
ともかくだめだったのである。
「前略 明日午前8:00までに伺います」
お金を返さないやつが悪い。

子供らしさ

「子供らしさ」というものがちゃんと定義されるとしたら、どんな例があればいいだろう。
「鼻の頭に絆創膏」
「食べながら寝る」
「雲のわたあめを夢見る」
「小遣いをせびる」
「白線の上を歩きたがる」
「後ろ向きでよく歩く」
こう挙げてみると、確かに子供らしいなという点以外に「子供にも幅がある」ことに気づかされる。
そもそも、いわゆる「子供」がどのくらいの年齢を示しているか不明だが、例えば中学3年生女子が「鼻の頭に絆創膏」だと、もちろん本来の用途なら問題ないことではあるが、そこはかとなく「そういうキャラ」の存在を感じずにはいられない。
小学4年生が「食べながら寝る」と、「子供らしい」というよりは心配になる。
中高生が「雲のわたあめを夢見る」を本気でやっていたら、理科の授業をちゃんと聴いていなかったことになる。
保育園児が「小遣いをせびる」と、この子前世の記憶あるんじゃないかと心配になる。
高校生が「白線の上を歩きたがる」のは異性に見てもらいたいだけであるし、立ち上がれたばかりの幼児が「後ろ向きでよく歩く」ようなら、すみやかにそれを補正、必要なら補助具の使用も検討する必要がありそうだ。
これらを包括しなくてはいけないので、「子供らしさ」はひどく濃厚である。

カリスマ

「はじめてのカリスマ」
誰しも誰かのカリスマになりたいと思っていることでしょう。
母さんおれ、カリスマになったよ。
私も明日からカリスマの仲間入りだわ。
では、これからカリスマになる方法を勉強してみましょう。
1.ごはんを食べない。
これは「カリスマと呼ばれたい事をしている間は、ごはんを食べるのも忘れる」ということを演出するために必要なことです。
その一見真摯な態度が、他人にカリスマであることを認識させます。
しかし意外なことに、カリスマはごはんを食べます。ごはんとカリスマにはなんら反比例する要素はないのです。
ここではあくまで「ごはんを食べない風」をよそおい、実際は食べましょう。
ごはんは毎日3回程度が好ましいですが、暴飲暴食はさけましょう。
程度がすぎると「あいつはカリスマだが、ごはんはすごく食べる」などと言われてしまい、カリスマが何となく薄まります。
2.意味ありげなオリジナル口癖を持つ
このことで手練、先駆者的なイメージを周りの人に植え付けます。
オリジナル口癖自体はそれほど難しくないですが、「意味ありげ」の部分には少々の熟練が必要です。
意味ありげなオリジナル口癖の例
「人間の指は、5本しかないからな」
「右を見れば右が見えると思っているんだから」
3.誰かに「カリスマ」と呼んでもらう。
ここまでやってきたとしても、最終的には「カリスマ」と呼んでもらわなくてはカリスマになれたとは言えません。
しかしながら、今回の方法は暫定かつ迅速さを重視した方法であるため、万が一ですが誰からもカリスマと呼ばれないことがあります。
このときは以下のような対応をしてみましょう。
「えーと、カ行の最初のやつってなんだっけ?」を4回ほど繰り返す。
「マスリカを逆から読んでみましょう」と言う。
「仮住まい」をしてみる。
自分がその世界のパイオニアであると言う、嘘を言ってみる。
いろいろと嘘を言ってみる。
誰かにカリスマと呼ばれたら、必ず「いやーそんなあ」と言いましょう。
誕生です。

ヘッドバンキング

携帯電話バッテリーの減りが早い。
だから用無きときは無闇に画面を出さないようにしている。
しかしそんなときに限って、何らかの着信である。
着信を受けたケータイは、力を振り絞って健気に震えるのだった。
僕は、着信時のケータイ挙動にどんな設定が可能か、よく知らない。
着信用に設定したメロディーが流れる。
バイブレーション。
このくらいしか知らないが、他にも何かないだろうか。
要は消費電力の少ないモードにしたいのである。
何もお知らせしてくれないモードもあるのだろうか。
しかしそれはさすがに機能を殺し過ぎのような気もする。
「バイブレーション:なおバイブレーション作動時に本体を振ると、バイブレーションを抑え、結果消費電力も抑えます」
こんな説明文が取説になかっただろうか。
「バイブレーションが作動したら、それをすぐに切るほうがいいじゃないか」
それもそうだ。
となると、さっきとは違う文言を取説から探さなくてはだめだ。
「バイブレーション:なおバイブレーション作動時に本体を振ると、バイブレーションを抑えつつ、しかも充電します」
振ることで充電できるケータイがあったとする。
そのケータイをバッテリーの切れそうな状態で使用するシーンを考えてみると、一種ノリノリの状態であるとも言え、そのせつなさに胸が苦しくなる。

予備

「007」が何を表しているのかというと、どうやら「スパイは1000人弱まで」ということなのだろう。
調べていないので恐縮なのだが、「000」は別格の人につけられるだろうから、実質999人。
この考えは、10人目である。
10人目で、正しいかどうか分かる。
「0010」。
これが困る。
「00」は接頭語のようなものだったのか。
そう考えられても仕方がない10人目だ。
接頭語だとしたら。
それは数あるもののなかでも最初のほうになりました。
いわばエリートです。
そう思わせる効果があるのではないだろうか。
最終的に7人までしかスパイになれないとして、そのなかでの「007」。
本来は末っ子なのだが、「00」のおかげで、かなり初期に就職した手練である感がお手軽に演出できているのである。
しかし、やはり数が多くなると、その感じも薄れる。
「007942」
7942は管理者ハンドルネームの一部であるが、それにしてもここまでくると手練感は薄れる。
むしろ100000を待たずして、これ以上増えませんという感じの方が出ている。
もしくは何かの管理番号である。
これではいけない。
少々かっこわるくなることを覚悟しても、「00」を接頭語として考えるのはやめるべきだ。
ということで、こうなりました。
「スパイ794.2」
端数である。
端数はいけない。

つかみとる。

最近感銘を受けたもの。
「すなぎもつかみどり」
それは朝刊に入っていた一枚のペットショップのチラシ。
そのでかいペットショップで開催されるらしいイベントの一つが「すなぎもつかみどり」。
「ペットたちの大好物のすなぎもをたくさんとろう!!」みたいなことが書いてあった。
それにしてもなかなかいいでしょ?。
すなぎもつかみどり。
闘鶏の技か何かにあるんじゃないだろうか。
これよりもいいのは、なかなか思いつかない。
「関係なしくずし」
お、適当に考えた割にはいいのが出た。
「みんなはやとちり」
学園ドラマの第5話くらい。
「セルライト揉みしだき」
揉みしだいて、セルライトをたくさんとろう!!。

サイドカー

僕はサイドカーを見たことが、数えるほどしかないと思う。
最後に見たのは、いつだっただろう。
サイドカーというと、まず考えてしまうのが「走行中に本体から外れてしまった場合」のことだ。
エンジンはついていないと思うのだが、そんな事故のことを考えてしまうと、せめてブレーキでもついていれば。
しかしブレーキがあると、そのことが「走行中に本体から外れてしまった場合」を引き起こしそうだ。
そうとまで行かなくとも、ブレーキをかけたとき、サイドカーを内側として本体が弧を描いたり。
ところで、サイドカーを見た訳でもないのに、唐突に僕が思いついたのは「サイドカーに何が積んであったらよいか」だった。
そして同時に「とれたてのカブたくさん」「朝市」というキーワードも出てきた。
そうか。
朝市に搬入できるか、むずかしいところだったのか。
次に思いついたのが「闇米」だ。
そうか。
すぐ逃げられるのか。
次は「洗濯物」だ。
そうか。
コインランドリーに持っていくのか。
それとも乾きが早いのか。
オカモチもいいし、スイカも映える。
仮面ライダーが乗っていたら、ああサイクロン号修理してるから、これでベルトのやつ回すんや、と感慨深くなるだろう。
サイドカーは、もっと需要があってもいいと思った。

7942の「再測定」

この文庫本は、読むのめんどくさそうだなあ。

20mm
歯磨き粉は少なくても、一度でこのくらい使わないといけない。

10mm
わき水も、このくらいいきおいよく噴き出てくれたら天然噴水って言えるだろう。

300mm
チーズかまぼこは、このくらいの間隔で大粒のチーズが見え隠れしているやつがいい。

5mm
このくらいの差なら、同じ身長だと言い張ることができる。

15mm
席をゆずるには、遠い。

350cm + 40代後半
この大きさではいくらオオクワだと言っても、もはやコクワだ。

40mm
初めて手を握ろうと手を探ったとき、一番緊張するところ。

10mmのち融合
7942の「測定」

置換三昧

「いっぱい」の「い」を「お」に置き換えたら・・・な感じのシリーズ。
1.浅野内匠頭の「い」を「お」に置き換えたら
浅野 いにお
2.大江健三郎の「ざ」を「お」に、「け」を「お」に、「ん」を「お」に、「ぶ」を「お」に、「う」を「お」に、「お」を「※」に置き換えたら
怪しげな魅力増す
3.マツコデラックスの「ツ」を「つ」に、「コ」を「縫合」に、「ク」を「触手」に置き換えたら
大手術
4.つのだ☆ひろの・・・

5.枕元のケータイを硯に置き換えたら
寝坊