ポケット 1

おいおい、ダンナの背広の腰ポケットから、キャバクラの名刺が出てきたよ・・・。
普通なんだろうけど、手書きのメアドが裏に書いてあるよ・・・。
こんなとき、奥さんは怒るべきなのだろうか。
僕は、少し怒る要素が足りないと思う。
例えば、ダンナの財布の中に、キャバクラ名刺が入っていたとしよう。
それは、最初の「腰ポケットに名刺」よりも、意味深だ。
その点では、より怒る要素として高ランクである、と言える。
例えば、キャバクラ名刺のメアドが、名刺ではなくケータイのデータとして入っていたら、どうだろう。
これはだいぶ、やんちゃしている。
奥さんはこの点を、豚骨から濃厚なスープを取ろうとするがごとく、とろ火でダンナを攻め立てるであろう。
この、怒る要素の差は。
結局、ポケットなのである。
ポケットは、何か入っているものなのである。
そして、キャバクラ名刺も、その何かに含まれているのだ。
電車の中で、ダンナのポケットに何も入っていないことを憂慮した紳士が入れていったのかもしれない。
まぁそれはないが、少なくとも、誰しも身に覚えのない切符やら錠剤やらレシートがポケットから出てきたことがあるだろう。
ダンナにとって、ポケットに入っていたそれは、まさにそういうものだったかもしれないのだ。
駅のホームで酔っている中年の男性を介抱したところ、その男性はお礼にと、財布からお金を出した。
いや、出したつもりらしいが、それはトレーディングカードのような、キャバクラの名刺だ。
押し問答するも、なんだかめんどくさくなったのでもらってしまったのが、それだ。
まぁこれもないが、本件でとにかく重要なのは、ポケットにちゃんと何か入っていたことだ。
ポケットに何か入っていて、よかったじゃないか、妻。
ということで、本題。
上記を踏まえてうえで、ポケットに入っていたら怒られてしまうものを、明日考える。

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