リンケージ、感慨。

最近はなかなか心揺さぶられる事がなく、例えばその日は日本各地の河川の水位が少し上がると目されている「火垂るの墓」は、確かに悲しい話であるが、見たとしてもどこかにボーダーラインをひいている。
それはアニメだからお話だ、ということではなく「これ以上この作品の事が自分に入り込んできたら、もう大変な事になる」。
これこそ「心揺さぶられる」「感慨にひたる」ということになるだろうが、「揺さぶられてしまうので心の縁の下にはこいつを入れるわけにはいかない」という感じのボーダーである。
こういうのは誰にでもあると思うが、その程度は様々だろう。
吉田戦車の漫画には、ソファがふかふかなことにひどく感動できる男の4コマがあった。
というか、確かどんなことにも感動できてしまう男の話だった。
この漫画としては、もちろん「ソファがふかふかな事くらいで感動するか」というのがポイントなわけだが、どうだろう。
新開発のソファが、驚きのふかふかだったらどうだろう。
あるいは半日、かったい椅子にずっと座っていてからのふかふかソファはどうだろう。
いい具合に干せた羽毛布団はどうだろう。
猫のおなかはどうだろう。
ともかく、人を感動させる、心揺さぶるふかふかさは、存在しないとは言えない。
だが俺が、ふかふかに心揺さぶられる事は無いがな!!。

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