なぜか台北 その32

【あらすじ】
台湾旅行。
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もう自強の列車に乗って2時間は経過しただろうか。
謎の車内放送が流れ、乗客の数人が慌ただしく支度を始めた。
停車駅「新竹」が近いのだ。
やっとこさ下車できるとうれしくなったのも束の間、車内で精算した切符が本当に使用できるのか。
改札を通過できるのかが妙に不安になってきた。
車掌さんを疑っている訳ではないが、例えば改札でまたひと問答。
いわば2時間弱乗り過ごしてきた僕にとって、そのやりとりは致命に等しい。
と、ここでブログ的にはファンタジーが起こってもらいたいところではあるのだが、緊張の改札は何事もなく進み、どうにか外に出る事ができた。
ただ、暑い。
「新竹」は台北駅から自強の列車で2時間程度のところにある都市で、少なくとも11時の駅前は大混雑である。
何か名所があるのかも知れない。
若者だけでなく、おばさんも多い。
目的地の樹林から2時間。
しかしその町並みは「樹林から想像される自然、田んぼ」とは違い、それを望んでいた僕はいまいち乗り気にはなれない。
名所があるのだとしても、ここからさらに単独で行動したら、もう戻れないだろう。
新竹にも、日本にも。
僕は電車の中で、新竹の前の駅が質素で線路に沿う道は田んぼで囲まれていた事を見ていた。
この新竹でただうろつくよりは、前駅へ戻り田んぼの方向へ歩いてみた方がいいのではないだろうか。
そう考えた僕は、せっかく意図せず新竹についたというのにひとつの何かを見る事なく、券売機に並んだのである。
券売機には、今回の体験で特急らしいことが判明した「自強」にならんでいくつかボタンがあり、そのひとつには「local」と添えられている。
ははーん、なるほどね。

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