なぜか台北 その31

【あらすじ】
台湾旅行。
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自強の列車に乗って1時間30分くらいか。
当初の目的地だった「樹林駅」はだいたい1時間20分前くらいに通過したのを最後、その姿を見せていない。
まあいい。
どうせ目的地は「なんとなく親しみのある、自然あるっぽい」くらいで決めた事なのだ。
確か、通過したときに見た「樹林」はいたって普通の都市部で、結果的にはあまり面白くなさそう。
通過した方がよかったくらいなのだ。
なんて思っていたら、自強最大の事件が起きた。
車掌さんが切符を切りにきたのだ。
これは本格的な「特急電車」。
1時間半、ぶっちぎりで運行しているのだから距離もある。
新幹線にホーム入場券で乗ってしまったようなもののかも知れない。
にわかに挙動がおかしくなってくる僕を察し、隣の人が心配そうだ。
しかし仕方がない。
怖そうな車掌に切符を渡し、ジャパニーズであることを告げたのち足らないだろうから払うよと片言。
車掌は何か僕に話すが英語ではなく、何を言っているのかよくわからない。
ごめん分からん。
そんなやり取りが数秒続いた後、どうも次の駅までのやつを買うかどうかを聞いている事がわかった。
もちろんそうする。
次がどこかはわからないが。
車掌は半分あきれてはいたが「シエシエ」と僕に修正したらしい切符を渡してくれる。
およそ600円の請求。
出発地点の松山駅から「次の駅」、新竹は「自強」で600円だったのだろうか。
「樹林」までの切符を買ったときの数倍である。
これが妥当なのかどうかは今でも分からないが、とにかく車掌さんは怖かった。
というか、駅員さんは基本的に無愛想で怖かった。
どうにか無賃乗車的なくだりをやり終え、心なしか隣の人も安心した表情になった。
そして僕も最大の試練を乗り越えたことで、何か人間的に成長できた。
次は、自強に乗るとき気をつけよう。

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