deleteにこだわれなくて。

消しゴムほど、存亡の危機が迫っている文房具はないのではないだろうか。
というのも、今では消しゴムのかわりにdeleteキーがあるから。
というのは気持ち悪いにしても現状、紙とペンは人類には必須である。
どんなに立ち上がりが早くても、キーを打つ速さが速記を越えていたとしても、あるタイミングでは情報の保存に紙とペンに勝るものはない。
パズーはひときれのパン、ナイフとランプを鞄に詰め込んでいた。
あれは「トム・ソーヤーの冒険」のトム・ソーヤーが持っていた宝物をもっと端的に表したものであると言えそうで、要は必要最低限。
しかし最低限とはいえ、あの鞄に紙とペンは入っていたはずだ。
ラピュタの映画ラストで、口にしてはいけないので「言うとだめ→バルス」とメモっていたパズーの姿が印象的である。
あのシーンでケータイとかポメラを鞄から出している暇はない。
いつ何時ヒロインが「バルス」であるとか「ばばあ、留守」とか言ってしまうかもしれないのである。
何よりも優先して「バルス」を形とし、「これを口にするな」と釘をさす必要があるわけだ。
それにしても思うのは、パズーが携帯電話を持っていなくてよかったということだ。
「空から女の子が!!」
シータが上にいるときにパシャリ。
下っていくときにもパシャリである。
結果、シータはどんどん下る。
「40秒で支度しな!!」
朝、ケータイが見つからないことは周知の事実であり、パズーは完全に出遅れる。
「目がー、目がー!!」
僕が思うに、ラピュタを見たことある人にとって「目がー、目がー!!」と言っている人は、ちょっとファンタジー過ぎている。
パズーは当事者ではあるが、やはり「うわー、目がー目がー言ってる人がいる!!」と写真を撮ってしまうだろう。
このように、消しゴムはどうしても消え行く文房具の筆頭となってしまう。
だからdeleteキーの素材を消しゴムにすればアメリカンジョークっぽくてこれも気持ち悪いね、の今回。

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