昨日からのつづき
【あらすじ】
「改行」は2つの能力を提供する。
スペースの有効利用:1行でまとめるべき文章を、行を追加することでコンパクトにする。
アクセントや優劣:行の最初に任意の文章を置くことで、なんか意味ありげにする
「スペースの有効利用」目的で「改行」を使用した場合、「アクセントや優劣」能力はどうなるの、の巻。
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例を挙げてみる。
【例文】
朝のコーヒーがこんなにおいしいものだとは思わなかった。あ、ミルク入れるの忘れた。と、入れている間に家の壁がドリフのコントみたいに四面ばったーってなった。なんだか青空が気持ちいい、4月の土曜日なのである。
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【改行1】
朝のコーヒーがこんなにおいしいものだとは思わなかった。
あ、ミルク入れるの忘れた。と、入れている間に家の壁がドリフのコントみたいに四面ばったーってなった。
なんだか青空が気持ちいい、4月の土曜日なのである。
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【改行2】
朝のコーヒーがこんなにおいしいものだとは思わなかった。あ、ミルク入れるの忘れた。
と、入れている間に家の壁がドリフのコントみたいに四面ばったーってなった。
なんだか青空が気持ちいい、4月の土曜日なのである。
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ブラウザやウィンドウサイズによって異なるかもしれず。
そして例文が短いので目立たないかもしれないが、【改行1】【改行2】ともに改行を追加し行を増やすことで、結果的に横スペースの削減に成功している。
では「改行」の能力「アクセントや優劣」について考えてみる。
【改行1】は「ミルクを入れるくだり」から、新しい行になっている。
【改行2】は「ドリフのコント」から、新しい行。
どうだろう。
スペース有効利用のために改行を入れるとするなら、【改行2】のほうがいいのではないだろうか。
【改行1】は、ミルクとドリフが同じ行だから、なんだか「そりゃあミルクを入れれば家の壁は四方に倒れ込むよね」くらいのあたりまえ感すらある。
そして疑問を持つ。
ミルクにそんな機能はあったかな、と。
対して【改行2】は、理由こそわからないがドリフ的展開と、その結果の「青空が気持ちいい」には疑問はない。
この文章はミルクやドリフについて疑問を持ってもらいたいわけではないので、【改行2】のほうがいいと言える。
ただし、残念ながら僕は国語について明るくないので、「改行」の適切な挿入場所の定石という存在の有無を知らない。
「え、ミルクとドリフのあいだに、なんで改行入れるの?」と怪訝な顔をされれば、次回からは改行を挿入しないだろう。
加えて、人の感性というものもある。
今回のように説明していくと、「ミルクとドリフを1行でまとめる」ことの面白さというものに気づかされる。
どちらがいいのかというのは、なかなか難しいことだ。
まとめると、改行を入れるとするなら、その場所は重要ですよ、ということでして、それにしても今回、わざわざ書く必要のある内容じゃあなさそうですな。
しかし少なくとも、「人生」というものを表現した文章においての「改行」がより重要だというのは間違いなさそう。
次回
どこかのおじいちゃんの自費出版人生録における、改行の考察