何やら暗い話に。

ソースが分からないのだが、こんなことを知っている。
「飛び降り自殺をした人は、落ちた直後、いったん立つ」
うそだろうか。
それとも何か、有名な話があるのだろうか。
ただ、怖いのは確かだ。
非常に怖い。
でも、何が怖いのか。
ひどい大けがで立ち上がれないはずなのに、立ち上がるのが怖いのだろうか。
その反射的な動きが怖いのだろうか。
僕が思うに「飛び降り自殺して落ちた人」というのを、我々は「既に死んでしまった人」と認識するのではないだろうか。
死んだ人の動くのが怖いのだ。
そして「ただ立つ」というのが怖い。
あまりに日常的でシンプルな動作で自分自身も行うものだから、あたかも死人が自分の存在に介入してきたような錯覚を覚えるから、かもしれない。
例えばこれが「飛び降り自殺をした人は、落ちた直後、お腹からオルゴールが聞こえる」だとどうなるか。
怖い事は怖いのだが、自身にはまず起こりえず、起きてこなかった事である。
だから、死と自分というものが隣接しえないことであると思え、ただ立つほどの怖さは感じない。
死して神になる神話や即身仏の扱い、あるいは偶像崇拝のように、死や命ないものを神格化したり尊んだりする文化は世界にある。
そういった面で考えてみると、ある意味「飛び降り自殺をして落ちた直後いったん立つ人」は生と死の境目を行き来する希有な存在であるとも言えるが、今のところ僕は「飛び降り自殺をして落ちた直後いったん立つ人」を目の当たりにしても、その後ろに後光の見える事はないだろう。
たぶんわーとかぎゃーとか言う。

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