昨日からのつづき。
【概要】
?ふたのあけぼの?
原始的なふたの誕生
?体系確立?
カスタネット保存法
?近代におけるふた?
貝飯の発見
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?現代のふた?
嬉々として貝飯を持ち帰った学者を待ち受けていたのは、既に完成された「ふた」であった。
微生物のダンス披露から、醗酵腐敗の詳細がめざましく解析されていった17世紀以降では、もはやカスタネットがどうこうが保存方法に関与する余地はなく、密封性と利便性の高い「ふた」が開発されていたのである。
学者は三代に渡る海水浴旅行を悔やみ、口を閉ざしたという。
現在、「ふた」は食物の保存だけでなく、外部からの衝撃に対する耐性などの獲得にも使用されている。
例えばアンチョビ缶詰の上で、大切にしていた形見の懐中時計を落下したとしても、ふたがあればアンチョビ、時計ともに無事なのである。
それほど現代において、ふたは重要なものとなっている。
ただし、その「ふた」も、完成された形に至るまで、様々な試行錯誤の連続であったことは、よく知られたことであり、それは今でも形を変え、続けられている。
【成功のほう】
サランラップ
タッパー
おとしぶた
ねじり式
真空パック
つまみ付き
アルミホイル
施錠
マスク
【錯誤のほう】
ざぶとん
白子のり
ネットブック
えびせん
パイ
蓮の葉
ライスペーパー
このような変遷を経て、現在の「ふた」は完全なものに近づいている。
しかし、その進化はとまらない。
今後、以下のような「ふた」が誕生すると見込まれている。
ビームによる侵入者排除
ハイテク網戸
絶対に開かないふた
命令するとくるくる回りだし、勝手に開くふた
食べられるふた
チャット機能付き
中身の取り出せるふた
このラインナップでは、ふたの発展が期待されるばかりである。
ふたの未来は明るい。