たれ

いわゆる「手タレ」という仕事がある以上、昨今の健康志向もあって、「腹タレ」がいることは想像に難くない。
これからその生息数が減少すると思われる、メタボなおなかを提供するプロである。
彼らが社会的に「でぶタレ」と違う点は、その体型を、薦められたものじゃあないよ、と宣言している点だろう。
彼らは「こんなおなかに、効く!!」といった感じの広告に登場するのであり、それは「こんなおなか、ダメ」と言っているのと等しいわけだ。
現在肥満は、降りもしないのに降車ボタンを押してしまったバス乗客のように、すこぶる敵視されている。
しかし上記のような人たち、または病により、故意では無いが見た目上はそういったことになっている人たちもいるのである。
そんな背景がある以上、彼らだけはその不当な扱いを避けられるべきである。
ところがそうなると、この制度(?)を悪用する人が現れるだろう。
医者「おや、ちょっと太りすぎですね。いけませんよ」
タレント「いや私、おなかのタレントでして」
医者「え、なんですか、それ」
タレント「○○胃腸薬のCMのおなか、あれ私なんですよ」
医者「そうなんですか。ちょっと触らせてください」
こうなって、無罪放免である。
これでは本職も、特に死んではいないが、うかばれない。
無論彼らは、そう遠くないうち、声をそろえて「メタボ免罪符」の発行を求めるだろうが、そうなると今度はメタボ免罪符の偽造が横行する。
本物のメタボ免罪符に印刷されている「太ってGOMENNE」の部分が、偽造されたものになると「太ってGOMENE」となっているのだ。
そうなると会議(なにかの)は、偽造問題とその精巧さもさることながら、そもそも本物に印刷された「太ってゴメンネ」自体が何事か、ということになり、踊る。
すると今度は新聞の一面が「会議は踊る。されど痩せず」といったことになり、後世になんとなく伝わるだろう。
これはこれでおそろしいことではあるが、何よりもおそろしいことって。
今回はこれで終わりということである。

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