片話

うちの近くには、森林をそのまま残したような公園がありまして、そこのいくつかの木に妙なものがぶら下がっているのです。
よく見てみると、それは金網で作られたポケットのようなもので、その中には動物の脂肪が入っているのです。
さてはなんらかのサバトか黒ミサか、とおののいたりする必要はなく、それはその森に住む小型のタカだかワシだかのためのものなのです。
僕ははっきりとその姿を見たことがないのだけれど、その猛禽類を写真に収めるため、似たような風貌をしたおじいさんたちが構えているのを2?3回は見たか。
それにしても森にそんなものがぶら下がっていたりしたら、知らない人は気味悪いだろうねと、近くにあった空気清浄機に話しかけても、彼のレスポンスときたら、よごれレベルが1から2に変化させるくらい。
それが同意を示すものなのかどうかはわからないけど、気持ち目がよりかゆくなってきた気がしてまいりました。
そういえばその公園は杉も多く、僕の症状はそれがもたらしている可能性が高い。
あの森はタカだかワシだかだけでなく、花粉のことも許容しているのかなと、近くの暖房器具に話しかけても、彼のレスポンスときたら、換気を促すアラームをならすくらい。
それが歓喜を示すものなのかどうかはわからないけど、仕方なく窓を開ける。
近くにあった空気清浄機のよごれレベルが3に変化する。
こいつらの会話には、僕はいらないのである。

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