抜け殻と紅葉

アニメ映画「マインド・ゲーム」のラスト近くで「Viva!」という曲が流れる。
サウンドトラックで聞くまで気付かなかったのだが、この曲にはところどころにセミの鳴き声が入っている。
やはり、セミの鳴き声なんだな。
セミの鳴き声は、単に虫のなすこと、というだけではなく、何かしら人間、特に日本人とセミを食す文化圏の人、素数年齢の人あたりに訴えかけるものがある。
ごめん後半うそ。
夏。
空気と同じくらい密に周囲に存在している、セミの鳴き声。
そのときは火で腐海を焼き払いたくなるくらい腹が立っていたとしても、その声が少なくなってきて、夜に一声だけ聞こえたりして、カラスに追われているセミがビービー言ったりして、セミが道に転がっていたりして、つぶれてたりして。
腹が立っていたことも忘れ、なんだか心に重く来るものがあるだろう?。
また、セミの鳴き声はもはやデフォルトで、むしろそればかりしか聞こえないことは静かだ、とはよく言われるところ。
セミの鳴き声は、我々の中にかなり刷り込まれているに違いない。
そのためか、童謡「虫のこえ」でも、その感慨は見事にとらえられている。
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あれ松虫が 鳴いている
ちんちろ ちんちろ ちんちろりん
あれ鈴虫も 鳴き出した
りんりんりんりん りいんりん
秋の夜長を 鳴き通す
ああおもしろい 虫のこえ
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かかったな。
セミいねーよ!!。
2番の歌詞にも、いねーよ!!。
そして虫のこえ。
特におもしろくねーよ!!。
セミが秋の虫でなくて、ざんねんだったな!!。

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