伝言

前を歩く2人の女性達の会話が空気に残っていたようで、僕の耳に届いた。
「並木君って、超ウケる?!!。」
女性Aは、並木君によって、超ウケたのだ。
ところでみなさん、どうだろうか。
自分がすごく面白いと思っている話を、誰かに話すとする。
そのとき、その面白さは、相手に100%伝わっているでしょうか?。
例えば僕が、Bさんに「今度、俺の甘食食べたら、半殺し2回だからな!!。」と言ったとします。
僕は甘食を、甘い紅茶と一緒に食べるのが大好きなので、本気でこんなセリフを言うことあるかもしれません。
でもまぁ普通は、ひょうきんさをアピールする感じで使いますね。
このセリフ。
ひょうきんポイントはだいたい4つではないでしょうか。
1.甘食
:奔放過ぎる命名のされ方や、何故か悲しいその存在感。
2.甘食で半殺しの危機
:「え、だって、あの甘食だろ!?。」と思わせる効果。
3.半殺し2回
:全殺しなのか、3/4殺しなのかという点。
4.説明
:この程度のセリフを無理やりひょうきんに見立て、それを解説してしまうアホらしさ。
でも、おそらくBさんには全ては伝わらないでしょう。
それはBさんがちゃんとした人間である、とかそういうことが原因ではありません。
それまでの経験などから、物事をどうとらえるかが、人によって千差万別だからだと思います。
Bさんが甘食屋の娘だったとすると、ひょうきんポイント1は、スルーでしょう。
幼少の頃、甘食でたいへん面白い経験(靴の奥に詰められていた、など)をしたとすると、1は琴線に触れます。
昔、山で遭難したときに唯一の食料が甘食だったら、2のところできょとんとします。
このあいだ全殺しの憂き目にあっていたなら、3では笑うどころか、少し透けがひどくなるでしょう。
このセリフがおもろいかは別として、1から4全てに感慨深いものを感じ取れる、そんな濃度の濃い人間は、言った本人くらいなのです。
だから、どれかは伝わっていない。
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女性Aは、超ウケた。
だから、並木君は烈ウケることをやったに違いない。
並木君。
連絡求む。

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