おはじき

20世紀最高の哲学者ソファムステンは「人間」について、こう述べた。
「みなさんは、「世界」がどのようなものだと思っていますか?。
両手を広げた範囲?。
自分が住んでいる町?、国?。
ざらついた地球の表面?。
・・・なるほど。」
「では、「自分」がどこにいるかわかりますか?。
・・・そう、誰もがこのホテルの披露宴会場であると答えるでしょう。」
「みなさんは、自分が、この広い世界の中のひとつの国の、ある披露宴会場にいる、ということをおっしゃってるわけですね。」
「では、こう質問します。
「本当の自分」、はどこにいますか?。」
「どうですか?。
みなさんは、「こころのなか」、と考えたのではないでしょうか?。」
「では、「本当の自分」の世界は、どんなものでしょうか?。
この前、目の前の本を買いに来たのに、何だか表紙が予想だにしない萌え系で、なんとなくその周りの本を物色してしまっている自分に気付きました。
そのとき、わかったのです。」
「「本当の自分」はこころのなか。
すると、その世界というのは、私達自身の体です。
私達は、体という閉じた世界を持ち生まれるのです。
「閉じた」というのは、皮フという層により外界とは完全に遮断されているためです。
もちろん、本当の自分はそこから一歩も抜け出せません。
そして、そこから一回も出ることなく、一生を終えるのです。」
「よって、世界というものは、実は内なるものであって、最初に挙げていただいた「世界」は、むしろ虚空と言えましょう。
我々は、虚空を漂うガラス玉のようなものであるのではないでしょうか?。
泡のように生じたガラス玉の中にいて、あらゆるものの干渉を許されることなく、いつかはじける。
人間は、なんとも寂しい、完結型の生き物なのです。」
この話の直後、ソファムステンは新婦さんからキッチンスポンジを投げつけられるという、痛みリアクションのとりづらい反撃を受けた。

「おはじき」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    本当の自分とは、潜在意識のなかにあります。普段の我々は顕在意識の塊で、本質から遠く離れています。
    そしてこのコメントも本質から遠く離れつつあります。

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    今回一番苦労した点は、ソファムステンという名前です。

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