イノセント・デツドウ

部長「木本君、ちょっとこの仕事頼むよ。」
木本「わかりました。」
部長「あと、大変だろうけど、これも頼むよ。」
木本「部長、これはちょっと・・・。」
部長「なんだね?。」
木本「先日体調がよくなって、会社に復帰したばかりです。仕事にブランクがありますので。」
部長「あぁ、そうだったね。すまない。でも、もうそんなブランクは感じさせないよ?。」
木本「ありがとうございます。」
部長「おーい、村山君。」
村山「なんでしょう?。」
部長「この書類の整理、頼むよ」
村山「それは、ちょっと・・・。」
部長「なんだね?。」
村上「先日ずっと見つからなかったメジャーをタンスの裏で見つけまして。やっと自分の胴回りを測れると意気込みましたところ、鉄製のメジャーがあまりに冷たくて思わずレンジに入れてしまいました。すると、メジャーがオレンジの光の中、回るんですね。ゆっくりと。それを見ていると、何だかさっちんのことを思い出しまして。」
村上「さっちんは小学校のときの友達でして。とにかく横断歩道を渡るのがうまかった。さっちんの赤いランドセルは、ゼブラゾーンによく映えた。えぇ、本当によく映えていましたよ。」
村上「でも、実際はさっちんなんて存在しない子どもだったんです。私の妄想でした。小学校の楽しい思い出のほとんどが妄想、いや、捏造だったんです。自分をだますための。もう、小学校の思い出は消えてしまいました。だから、ちょっと私、人生にブランクがありますので。」
部長「ほんとだー。」

「イノセント・デツドウ」への4件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    そんな時、「あるあるじゃないんだよ!」と叱ってやれるような人間に
    わたしはなりたい。

  2. SECRET: 0
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    人としてブランクがありそうだな。
    君と僕。

  3. SECRET: 0
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    同志nimbus7942と呼ぶことを
    許してくれるだろうか。

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