不可視の森その1

「所長、天涯孤独な人を発見しました。」
?「ここに。」
男「何か、御用ですか?。」
?「君は天涯孤独だそうだが、本当かね?。」
男「まぁ、そうみたいです。家族は死にましたし、親類と呼べるような者は一人もいません。もちろん、友人もありません。」
?「まずそのような立場の人間はいないと思うのだが?。血のつながりなどなくても、何かしら人間関係はあるだろう?。」
男「いえ、ないんですよ。お金は遺産がありますし、家にも誰もいない。買い物で人と接触があるといっても、知らない人ばかりですから。」
?「例えば、私との関係などはどうかね?。」
男「いやー。ここを出ちゃえば、もう一生会わないだろうことは想像に難くないですよ。」
?「本当にかね?。今、友達になって、と頼んでも?。」
男「お断りします。友達なんて、面倒くさいですし。」
?「うん。天涯孤独なんて、推理小説にしか存在しないと思っていたが。本当のようだ。」
?「では、本題。」
?「君、空は飛べるかね?。」
年末なので明日に続く。

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