「お、お前・・・。なぜ生きているんだ・・・。ま、まさか!!。」
「やっと気づいたか。そう、鏡なんだよ!!」
「ツバサ、お茶碗とお箸を持つ手が、逆ですよ。」
「やっと気づいたか。そう、鏡なんだよ!!」
「あの子、夏休み終わって、なんか感じ変わったよね。」
「やっと気づいたのね。そう、鏡なのよ!!」
「ちょっと!!。今日の私、雰囲気違うの、気づかないの!?。」
「わかってるって。鏡。そうなんだろ?。」
鏡って、便利。
追記
カレンダーにも書いちゃってました。
12/2
カテゴリー: 物語
空も飛べるはず
俺は催眠術師。
心の病を癒すため、人を催眠状態にするのが仕事だ。
でも、なってから3日目。
まだ術をかけたことがない。
不安だ。
「催眠術?。私にかかるかな。」
相手は60代男性。
催眠術という言葉への「怪しげ」固定概念が見られる年齢だ。
それは催眠状態になることを、無意識に妨げようとする気を持っていることを意味する。
難しい相手だ。
「ともかく。先生お願いします。」
とりあえず、作業に取り掛かる。
まず最初に、催眠状態にどれほどかかりやすいのかを調べる。
では、ゆっくり深呼吸してください。
「ふぅー。」
次に、リラックスしてください。
「リラックスしろって、言われてもねぇ・・・。」
目も閉じない相手に、俺はもう泣きそうだったが、続けた。
いいですから、とりあえず目くらいは、閉じてください。
「わかったよ、先生。」
では、次に空を飛んでいる自分をイメージしてください。
「難しいな。」
いいですから。
ほら、ゆっくり体が浮いてきましたよ。
「浮いてなんかいないよ。」
体がすぅーっと上がっていきますよ。
ほら、何が見えますか?。
「えーと。副都心ですね。ビル群が見えます。ずいぶん遠い。高度は、30mといったところです。あ、下を向くと、下降できるんだ。先生、ちょっとビル群に近づいてみます。大丈夫です。人目に付かないように、ちょっと高度を上げますから・・・。あれ、わ、やべ、ちょっと上空って思ったよりも寒いですよ。ちょっと、とりあえずあのビルに降ります。いいですか?。降ります。」
・・・
「体がすぅーっと上がっていくなんて、想像できませんよ。先生。」
俺は、すごく自信がついた。
あとをひくせかい
客「この、ラーメンセットひとつ。」
店員「すいません。今、ラーメンだけしかできないんです。」
客「じゃあ、ラーメンだけでいいです。」
店員「毎度ありがとうございます。」
店員「注文はいります。ラーメンだけです。」
厨房「はいよ。ラーメンだけ!!。」
客「あの、そんなに「だけだけ」言わなくても…」
店員「そうは言っても。なんてったって、ここは「あとをひくせかい」ですから。」
客「あぁ、そうでしたね。」
店員「はい、ラーメンだけ。おまちどうさま。」
…
客「うん。ラーメンだけって言われたから、なんとなく損した感じだったけど、おいしい」
…
客「ごちそうさま。お勘定は。」
店員「ええと・・・。お客さんは…、ラーメンだけでしたね。はい、おつり。」
客「どうも。」
真美「おかあさーん。冷蔵庫にあった、私のプリン知らない?。」
店員「あー、ごめん。さっき食べちゃった!!。」
真美「…その行為。あと、ひくよ?。」
客/店員/厨房「・・・。」
僕はくぎった。
神「最近、物事をまとめだした神がいるぞ!!」
神々「邪魔してやろう。邪魔してやろう。」
神「そこで、物事をくぎって、細かくすることにしました。」
神々「いいぞ。いいぞ。」
神「犬なんだけど。」
神「犬は、チワワからセントバーナードまで、かなりくぎりやすそうだぞ。」
神「そうだ。そうだ。」
神「僕の友達が、犬は片手で持てるか持てないかが分かれ目だって言ってた。」
神「手のひらに乗るってこと?。」
神「いや、犬の前足の間、後ろ足の間に腕を通して持ち上げるらしいよ。」
神々「おぉ…。」
神々「なんか、その愛くるしい感じのと、「くぎる」っていう言葉のギャップがなぁ…。」
神々「なんか、だめだよね。」
神「じゃあ、「くびる」は?。」
神々「おまえ!!。怒るぞ!!。」
神「なんだよー。くぎるのは賛成してくれてたじゃんかよー。」
神々「ぜんぜん違うじゃないか!!。いいことと悪いことがあるぞ!!。」
こうして、この神はくぎられた。
神はその後「サターン伯爵」と名乗り、数々の「くぎりによる細分化」(服のサイズ、雑貨、お笑い文化など)を巻き起こしたことは記憶に新しい。
※
僕はまとめた。
天使何人とまれるか
ドライブをしていると、お年寄り介護関係の建物があった。
「天使の○○」という名前だ。
姉はそれを見て「ちょっと、ニアピン過ぎる」と言った。
僕も同感だ。
だが、姉には、他にも思うところがあった。
知人に聞いた話によると、介護関係の仕事は人手が少なく、大変なのだそうだ。
だから、そのイメージと天使のギャップに違和感を覚えたらしい。
そんな調子で、またポツリとつぶやいた。
「天使があんな殺風景な家に住んでんの?。」
おそらく訪問タイプの介護サービスが主な仕事なのだろう。
確かに、大きな看板に反して、寂しげな、二階建ての一軒家だった。
でも、その一軒家を見た僕は、確かに天使が来ているかも知れないなぁと感じた。
一階に、出入り口が見当たらなかったのである。
学級会
子供の頃、誰しもが必ず口にしたことといえば、
「百万円落ちてたらどうする?。」
である。
言った覚えのない人も、ただ忘れているだけだ。
とにかく、百万円である。
百万円というのは、単にキリのいい数字と言うだけでなく、子供たちにとっては何かしらの限界点を突破した値であり、敬うに値する。
大人が、宝くじが当たったときを考えるように、子供たちはこの話題になったとき、百万円の人生設計を立てるのだ。
さて、今の百万円の価値を考えてみよう。
残念なことに近頃の子供は、お札よりも価値の高いものを知ってしまっている。
彼らは、このように思う。
クレジットカードや通帳は、百万円よりも手ごろかつ、価値がありそうだ。
小切手や株券は、ただ一枚の紙なのに、百万円より価値があるだろう。
そんなことを考えると、近頃の子供たちは、「百万円」が落ちていることよりも「お財布」が落ちていることの方がメリットがある、と考えているかもしれない。
お財布には、現金は少量だが、それを補ってあまりあるカード類があるかもしれないからだ。
上記の例は、子供たちから「百万円」への畏敬の念を奪い去るには十分だ。
しかし、考えてもみてほしい。
「百万円」が落ちているのは、奇跡だ。
それに対して、「お財布」が落ちているのも奇跡で、その中にお金を自由に引き出せるカードがたくさん入っているのも、奇跡だ。
(そう、カードは単純にお金を引き出せるわけではない!!)
以前も論じたが、一回で済む奇跡を、わざわざ二回に分ける意味があるのだろうか。
私は、「落ちているのは百万円の方がいい」と断言する。
先生「で、交番に届けるという意見の人は、いないのかなー?。」
何かが起こりそうだよストーリー プレリュード
ヒロユキが12歳の頃、そのいとこのヨシミは、コップを洗うのがめんどくさいから、コップに口を付けずに水を飲んでいたっけ。
サトシはそう思った。
ヨシミの同級生のカズヒロは「昆虫マット」を座布団みたいなものと思っていたし、カズヒロと苗字が同じなタカヤは、そろばんをはじくより床に叩きつける方が早かった。
ガムテープの軸を両腕に装着するのが趣味だったトモミはタカヤのことを知らなかったが、カーディガンをガーディアンと勘違いしていたし、その弟のツバサはこの間、ピンク色が好きになった。
そんなツバサと音域が一緒だったハムドがドラゴンボールGTにはまっていた頃、学校の一緒だったシンジは小銭入れの重さから合計金額を当てることが、ナミは一度あけた封筒を未開封の状態に戻すのが得意だった。
ナミの開封済み封筒をハサミで丁寧に開けていたハルゾウは「なんだか、肌が流木みたいになってきた」と言っていたが、その将棋友達のゲンジは、基本的に無傷だった。
ゲンジの精神的母親のオサヨは気の強い女性で、分量を量らずにカレーのルーを入れていたけど、それを愛おしく見ていたヘイハチはリンスを愛用していた。
この二人は転校生さながら中身が入れ替わっちゃって。
オサヨなんてゲンジに何度もヘッドバッドしてみたけど、映像的にぎりぎりだった。
その時代、ショウジは野球の審判をしていてアウトのとき、腕をビシっと止めるのと、振り下ろすのどちらがかっこいいのかを悩んでいたらしいが、ピッチャーをやってたトモキは、自分のいる場所がちょっと小高いことが恥ずかしくてしょうがなかった。
そんな僕らが、今度おそろいのTシャツを着ることになりました。
よろしくお願いします。
注
何かが起こりそうだよストーリー
何かが起こりそうだよストーリー リターンズ
ヒロキのムチムチ星人大作戦!!
何気ない日常生活。
ノンビリした店内。
静かだから、周りの客の声が良く聞こえる。
「ヒロキって、もてるでしょ?」
私の後ろに座っているらしいカップルの会話だ。
「でも、あそこのレストランの方が・・・」
「あの曲がり角の雑貨屋さんでしょ?」
「会社はどうなの?」
女の子のほうばかりしゃべる。
ヒロキは無口な大人の男性のようだ。
「それにしてもヒロキって、動きがスムーズな時のクレヨンしんちゃんみたいだよね。」
うん、大人の男性じゃないね。
私の知る限り、大人の男性が「動きがスムーズな時のクレヨンしんちゃんみたい」である瞬間は、ない。
でも、あの、アニメのスムーズな動きは見てみたい。
今、してくれているのか。
ヒロキよ。
そう思ったが、私は振り向かなかった。
想像(動き、映画タイトル、ニコチャン大王など)だけで、お腹いっぱいになったのだ。
とにかく、ヒロキよ。
5歳くらいであれ。
自損事故
昨今の日本お笑い文化を躍進、かつ高水準で維持するため、日本政府は保険会社に対して「ギャグ保険」関連の商品化を働きかけた。
「ギャグ保険」に加入していれば、舞台、職場などで試みたギャグが万が一ウケなかった場合、以下の契約内容が施行される。
・ギャグの完成度とウケなかった具合から、適当額が支払われる。
・「拍手の入ったCD」が保険会社から郵送される。
広報は「この制度で、今まで貯めておくことしか出来なかった個人レベルのギャグが発掘され、お笑い文化がさらに躍進する」としている。
また「ギャグ事故保険」は、うかつにもギャグっぽいことを言ってしまった場合(かこいが出来た→へえ)、それが故意でないことが証明できた場合のみ適応される商品である。
適応されると、以下の契約内容が施行される。
・文字数に見合った保険料(2文字が契約料、保険料ともに一番高い)が支払われる。
・詳細(仮名可)が新聞に掲載される。
例:「○月×日の「かこいが出来た→へえ」は、ギャグではありません。ミッキーのママより」
広報は「この制度で、高純度のギャグのみが残ります。ちなみにギャグは基本的に2文字からです。」としている。
一方、「日本お笑い文化がギャグのみで成立しているわけではない。」との批判も上がっている。
僕はまとめた。
神「最近、物事が細かく分かれすぎているので、まとめてほしいと言われました。」
神々「それは言えてるねぇ。」
神々「言えてる言えてる。」
神「早食い選手権を見るときと、ペットがエサを食べているのを見るときの、人の気持ちって、どうかな?。」
神々「似てるなぁ。」
神々「両方とも、食べてる食べてるって感じだもんね。」
神々「まとめても、いいんじゃない。」
神「まとめる・・・、と。」
神「スベるのも計算のうちっていう芸人さんと、ゲーム発売日に体調不良により休む人って、どうかな?。」
神々「似てるなぁ。」
神々「ぎりぎりだと思うなぁ。」
神々「カッコでくくれるかどうかで考えたらいいよ。」
神「カッコでくくれるかどうか・・・、と。」
神「食べてて、っていうのと、食べべて、っていうのは、どうかな?。」
神々「似てるなぁ。」
神々「似てるけど、食べべてって、言わないじゃん。」
神々「でも、何か、かわいいよね。」
神「何か、かわいい・・・、と。」
このようにまとまったので、芸人さんがやや少なくなりました。