前回からのつづきです。
【あらすじ】
全裸のマズイ点は、やっぱアレがあーなるところだよね。
だが、僕はもうひとつ、マズイ点を全裸に感じている。
それは「全裸のほうが特殊」ということだ。
例えば「ヌーディストビーチ」。
これは、普通の海水浴場は「着用者ビーチ」であるということだが、もちろんそうは言われず、あくまでヌーディの方が特別扱いだ。
どんなに普遍的にヌーディたちが闊歩しようと、それはまだ特別なのだ。
前回触れた「全裸を楽しむ人々」を考えてみよう。
「裸で何が悪い」
彼らの顔をよく見ると、そんなことを言っているような気がする。
この意思は一見、彼らの意図と同調していそうだ。
しかし本来、彼らの行動には「裸で何が悪い」ということ自体があってはいけないはずである。
彼らの行動の真実は「スーツを着て歩いていたら、なんだか知らないけど脱げていってしまって、最終的に裸になりました。」くらいの自然さを帯びるはずだ。
しかし彼らは、誰かに、何かに「裸で何が悪いんだ、あ?」と言ってしまっている。
着用者が気付きもしない何かに、身構えてしまったのである。
そして、着用者からみて、そんな彼らは特殊である。
このように、全裸は全開で、特殊で、マズイ。
この時代はなんだかんだいって、まだ着用の時代なのである。
追記
でも、いいところだってあるんだぞ!、という方もいるはずだ。
確かにそうだ。
全裸でふとんに入るのは、気持ちいいし。
だから、半そでをちょっと長めに着るなどして、少しずつ社会に全裸をならしていくといい。
性急な発展は、破滅を招くらしいし。