土曜日の実験室

週休二日制が人々から何を奪ったかというと、それは「土曜日の実験室」に他ならない。
確かにこのキーワードの持つノスタルジックっぷりは、「時をかける少女」という映画を見たものにとっては、すこぶる感慨深いものである。
しかし、そうでないものにとっても、なんとなく青春やなつかしさ、不可侵の思い出という感じを受けるのではないだろうか。
週末で、午前中に授業はおしまい。
部活なのか何なのか、なんとなく実験室に集まってきた生徒達は、下校中の下級生をみずでっぽうで狙撃する。
実験なぞ、しないのだ。
そして町が赤く染まるころ、内部闘争によりびしょ濡れとなった彼らは、帰宅する。
まぁ、こんな感じだ。
信頼性の高い検証によると、この「土曜日の実験室」という言葉を聞くと、中高年層の12%に新陳代謝の活性化が認められ、7%はそれを肴とし、酒がすすむという。
驚くことに、この結果は魚類を除いた脊椎動物全般にも認められたということである。
魚類め。
この気持ちが味わえなくて、ざんねんだったな!!。
「土曜日の実験室」は「夏のうだるような暑さ、甲子園」「もう、線香花火しかないね」などの名ノスタルシーンと並び、我々の胸をきゅんとさせ続けるものであるが、週休二日制はその機会を減らしてしまった。
休みもうれしいがその点、ちとかなしいのである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です