店長「ネクタイというと、今では背広のお供みたいなものですが、実際は防寒目的の毛皮であった、という説があります。」
そう言うと、店長は俺の青いネクタイをつまんだ。
店長「君、寒くはないかい?。」
?「えぇ、ネクタイのおかげで。」
人々が興味のまなざしをこちらに向けてきた。いい感じだ。
店長「また、ハンカチの役割も果たしておりまして。このようにナポリタンを食べたときに便利です。」
店長が俺の口にケチャップを塗りたくり、それをネクタイで拭いて見せた。
店長「君、不快感は無いかい?。」
?「えぇ、口の周りのケチャップだけ拭き取れたので、口の中のあと味は、まだサイコーです。」
店長「このように、拭いた部分は紫色になりましたが、昔から紫は高貴な色として知られておりまして・・・。」
誰一人として客は帰ろうとはしない。
店長「古代ギリシャなどでは、魔よけとしてネクタイが使われていたという話もあります。」
店長が紫色の部分を避けつつ、ネクタイをなでた。
店長「君、最近霊的な悩みは無いかい?。」
?「えぇ、6歳から続いていた自室でのポルターガイストがぴたっと止まりました。」
客の幾人かは、既に財布を出していた。
店長「では、最後の機能です。」
なでていたネクタイを掴んだ店長は、それを力いっぱいに引っ張った。
店長「ネクタイは怪我をしたときなどに用いると、包帯よりも止血効果があります。ほら、このように。」
さらに店長。
店長「このように、縛られた部分は紫色になりましたが、昔から紫は高貴な色として知られておりまして・・・。」
この回は大盛況で終わるようだ。
俺は、薄れゆく意識の中。
「解説書に、場所のことも書かなくちゃな・・・」
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ネクタイってサスペンスとかで絞殺道具につかわれるよねー。
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どっかの本に、「止血帯」としての役割が本来、とか書いてあったような気がしたのですが・・・。
調べても、ないね・・・。