フットサルというスポーツは非常に疲れる。
狭いながらも楽しくないフィールドを、終始ボールを追っかけているような状態が何分も続く。
そんな僕を見たある人は、それを「犬」と形容した。
確かに、河原でボール遊びしている犬は終始ボールを追っかけている。
休憩時間、へとへとになりながらも、「もしかしたら定石のようなものがあるのではないか」と考えるようになった。
他の人は、動きつつも僕ほど疲れてはいないようだった。
これは身体能力の差か、あるいは待つ戦法など、知っておくべき何かがあるのかもと思った。
このときの僕を形容するとなると「定石を知らない犬」となるだろうか。
これは、考えようによっては妙にハードボイルドな雰囲気をかもし出す。
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「あいつに関わると、ろくな事はないぜ」
「何せ、あいつは定石を知らない犬だからな」
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だが、もう少し情報を付加すると、こうなってしまう。
「定石を知らない河原でボール遊びしている犬」
これは完全に河原でボール遊びをしている犬であって、ハードボイルドではない。