時代劇などで聞く「百万石」というものがどういうものなのか。
サラリーか何かなのか。
分からないが、石がたくさんあるところを想像した時、僕は川を思い出す。
近所の川は水量が少ないのか、かなり近づかないと水が流れているところが見えないくらいだが、そこに到達するまでには石ばかりの灰色ゾーンをやりくりしなければならない。
水かさの多いときは川底になるのだろうが、とにかく石だらけだ。
それが百万あろうが億あろうが、どうにも興味の湧くものではない。
石の裏に生き物がいることもほとんどなく、ときどきカワラバッタという、冴えない色彩のバッタが、こちらは何ら危害を加える気がないというのに、身の危険を感じて素早く飛び去る。
なんて自意識過剰なやつなんだ。
お前に興味はない。
それにしてもこう殺風景だと、確かに三途の川というものがありそうな気にもなる。
そこでは親より先になくなってしまった子供達が、その親の供養のためだか先立ってなくなった親不孝の罪か何かで石を積むのだが、それを崩してくる鬼がいるという。
中学生かこの鬼は。
でも、このような邪魔するやつがいるからこそ、例えば石積みを百万個やりましたという偉業が起き得ないとも言えそうだ。
石を百万個くらいも積み重ねたら地上に戻れそうなものだから。
ということで、少しだけ「百万石」のイメージがついた。