「人に気づかれないこと」を憧れ、一種のぜいたくと考える人がいるとすれば、彼は間違いなく時効待ちな人なのであって、一般的にはあまりいないだろう。
だがそれを実現しようとしたとき、どんな方法が考えられるだろうか。
まず思いつくのは「とにかく隠れる」というものだ。
例えば一昨日の「飽きているラーメン屋の店主に顔を覚えられたくない」というものに対してこれを適応するとどうなるか。
仲間あるいはたまたま入店しようとしている人が必要だが、とにかくその人に隠れる。
隠れまくる。
そうすることで、おそらく顔は覚えられることはないだろう。
しかし注意する点もある。
それは店主が「いつも声はしているが、姿を見せない客がいる」と気づかれてしまった場合。
この瞬間、目的の「顔を覚えられたくない」は達成不可になるだけでなく、むしろ強調されてしまう。
それを避けるにはもう、「声はするが姿は見せない」で有名そうな、座敷童の精神を絶えず持っておくことが必要だろう。
「覚えられたくない」ということなら、顔を見られたあと、それを忘れてしまうような事柄が生じる、というのもありだろう。
「入店客を見た後、なぜか必ず店員さんがグラスを落として割る」
どう実現するかはさておき、店主はグラスの対応に追われて、見た顔を忘れてしまうだろう。
もちろん、これにも注意する点がある。
「なんか誰かを見た直後に、何か起こるな」と気づかれてしまった場合である。
先ほどの座敷童の精神のくだりと類似しているが、どちらかというとこちらは「不吉な事柄の前兆のあなた」の意味合いが強い。
ちょうど座敷童のところを「疫病神」に置き換えるといいかもしれない。
「店がすごく忙しいときにしか、入店しない」のはどうだろう。
「顔を覚えられないようにする」ということについては、結構有効だと思う。
しかし、本日の「座敷童」「疫病神」の流れでいくと、ここは確実に「ぬらりひょん」が来る。
確かそういうやつなのだ「ぬらりひょん」は。
勝手に家に入って茶などを飲み、勝手に出て行く。
家の人は「そういえば誰かいたのに」と気づいたようなそうでもないような。
そんなんだった。
「気づかれない」とは、妖怪のことだったのか・・・。
それにしてもちょっと最近、妖怪系が多い。
もういいじゃないか、妖怪は。
楽したい時以外は当分、脱妖怪の方針を取っていきたい。
永田町、脱妖怪宣言!!
超斬新、唯一無二風刺が出ちゃったので、おわりに。