以前、レンタカーを借りたときのことを書いたと思う。
内容は覚えていないが、とにかく「車はみんな仕組みは同じだが、それでも慣れていないやつを運転するのは、たいへん」ということを終始主張しただろう。
それ、正解。
駅からそう遠くなく、珍しく迷わずに見つけたレンタカー屋さん。
車種とかオプションとか何も考えずに予約したのだったが、唐突に気になりだした。
カーナビはついているのだろうか。
カーナビがないと、この地で僕は翼はあるが恐ろしく近視のタカみたいなものになってしまう。
いや、よだかか。
しかし星にはなりたくないので、まあ何かだ。
とにかく、この旅行の数少ない目的も達成できなくなってしまう。
そうなるとサイドミラーはついているのかハンドルはついているのかと、そこまでは思わないまでも。
それでもカーナビがついていないのならハンドルもついてなくていいやくらいの侠気は芽生えてきた。
予約時間よりも幾分早く到着した僕を、元気のいい姉さんが迎えてくれた。
もう乗せてもらえるらしい。
カーナビの件を心配しながらもあないしてもらう。
と、車をみて、僕の心配は不要だったことに気づく。
ついてる。
カーナビついてる。
最近のレンタカーには、普通の奴ならたいがいカーナビは付いているということだ。
いける。
これで僕は熊本のぐねった峠を攻めることができる。
「あ、ちなみにこれ、サイドブレーキはブレーキの横にあるタイプですから」
「エンジンはブレーキを踏んだ状態でスイッチボタンを押すことでON/OFFしますので」
ハ、ハンドル取り外してもらえます?。