長いお別れ

弱肉強食の世界に謙遜というものがあるとすれば、こんな感じだろうか。
「ちょっと食べさせてもらいますよ」
となるともう片方も「胃の方、拝借させていただきます」と一言。
それから「おじゃまします」、「一休みさせていただきます」となるか。
どちらにせよ、謙遜すぎるのも考えものである。
ただ、これは捕食間際の話であって、もっと前から「すいません、追っています、追っています」というのがあるだろうし、「ああ、じらしてすいません。逃げちゃって」が対として存在する。
となると「お腹へらしちゃってすいません」、「そんなにおいしくなくてすいません」てのもあり、いろいろだ。
しかし奇妙なことに、この流れは収束する。
「生きててすいません」
謙遜というよりは逃避である。

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