魔女が出題する問題の答えは必ず「どれでもない」「この中にはない」である。
千と千尋の神隠しでは、千尋が豚にされた両親を選び出すシーンで。
ジョジョの奇妙な冒険では辻彩の魔法使いのルールとして。
選択式問題に対して「答えはどれでもない」は少々勇気のいることであり、逆に言うとここでキーパーソンの真実を見出す力が表現されるわけである。
さて、一見たどり着くには相応の力が必要と思われそうな「どれでもない」だが、一般的に広まってしまうと魔女としてはざんねんな感じになる。
なんたって魔女の問題とくれば「どれでもない」になってしまうから、ちゃんと考えてくれなくなるのである。
しかし魔女としては、それ以外の答えを望むようではコケンに関わる。
意地でも「どれでもない」で行きたいところ。
かーいそうである。
?????
『魔女の学習帳』
問題1:
ひろしくんはりんごとみかんをそれぞれ3つづつ、はなこさんはりんごを2つ買いました。
ふたりのりんごを合わせるといくつになるでしょう。
1.4つ
2.3つ
3.どれでもない
問題2:
ひろし君と花子さんは二人で公園に行きました。
1.これはひろし君が花子さんのことを好いているための行動である。
2.ちょうどそのとき、公園でせみが羽化をしている最中であったため、ひろし君はそれを見せたいと思ったのである。
3.他意はない
4.どれでもない
問い3:
ひろし君と花子さんが血まみれで倒れています。その近くに、右手に包丁、左手に拳銃を持った男が立っています。
1.包丁
2.拳銃
3.何らかの殺法
4.どれでもない
問い4:
ひろしくんはりんごとみかんをそれぞれ3つづつ、はなこさんはりんごを2つ買いました。
ふたりのりんごを合わせるといくつになるでしょう。
1.4つ
2.5つ
3.どれでもない
4.この問いは問題ではなく、ただの独り言である
問い5:
ひろし君は花子さんにプレゼントをしたいと思っています。
1.花束
2.バッグ
3.おこめ券
4.現金
5.どれでもない
?????
後半になるにつれて難易度は上がるが、基本答えは「どれでもない」である(問い4のみ、解答は4)。
一部ひっかけもあり、魔女達はこのような課題をこなしていき、魔女たる考え方を身につけるのであろう。
ただ、彼女達も魔を抜けば普通の人だ。
問い5では選択肢に「愛」が入っていないことを内心喜びながら5を回答、脳内でひろし花子の物語を補完するのだろう。