扇風機の目の前で「あー」という、例のやつがある。
あれを思い出してみると、どうも「あー」の細切れが扇風機の後ろから出ているような気がして、「あー」がかわいそうになってきた。
やはり、「あー」というのはひとつながりだから細切れにされてしまうわけで、「ああああああああああ」と扇風機の羽根にうまく当たらないように「あ」を連続して言えれば、それは扇風機の後ろからは「あ」がたくさん出てくるだけのことで、ある意味、にっこり笑った金太郎あめ。
「あー」の細切れは本来繋がった、切断するべきではなかった箇所だろうから、「ここでは切ってくれるな」と苦渋の表情の金太郎あめ、と言えるだろう。
ところで、「途中で表情の変わる金太郎あめ」というのはできるのだろうか。
以前、太巻きで途中からがらりと絵柄が変わるものを見た事がある。
あれと同じ手法を用いれば、可能な気がする。
金太郎
↓
まさかり
↓
くま
こんな変遷がいいだろうか。
でも、僕は以下の方が好きだ。
金太郎
↓
くま
↓
太巻き
もっぱら太巻きに収束したという、「力つきた」感じが好きだ。
ところで、そもそも金太郎は何をした人物なのか、知らない事に気付いた。
例えば桃太郎は、鬼退治をした。
金太郎は何か。
くまと相撲を取っていたはずだ。
まさかりを持っていたはずだ。
マタギか何かだったのだろうか。
それにしても、「マタギか何か」と、マタギと並べて言えるような「何か」はあるのだろうか。
疑問は尽きる事がなくて、大変よろしい。