小さいなりに不思議だったのが「生きた化石」という言葉で、例えばカブトガニ。
あの、表はエイみたいで、裏がフェイスハガーみたいなやつである。
水族館でそれを見ると、近くの案内板には「生きた化石」とある。
これは結局「昔から姿形が変わっていません」ということらしいのだが、僕は気になっていた。
「こいつは生きてるんだから、化石ではないのではないか」
僕にとって化石というのは、石みたいで、骨しか見えなくて、こう「びたーん」ってなっていて、何よりも死んでる。
「生きた」という言葉と「化石」という言葉がつながっていることに、どうしても違和感があった。
そして「生きた化石」という字面からか、絵本の「100万回生きたねこ」を思い出させる。
化石も、絵本の顛末のねこも、結果的には死んでいるのだが、この背景の差はなんだ。
とりあえず入れ替えてみよう。
「ねこ100万回」
違う。
化石とねこを入れ替えてみよう。
「生きたねこ」
いるいる。
「100万回生きた化石」
何の事か分からない。
せめて「100万年前生きてた化石」だったらよかったのに。