【あらすじ】
台湾旅行。
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慣れとは恐ろしいもので、ついさっきまで戦々恐々としていた切符購入にも、特に何の感情も生じずに行えるようになった。
北竹駅を出発する決意をした僕には、腹は減っていたがこの遠出の意味が見出せない事の方が切実だった。
まだ午後を少し回ったくらいということもあって、台北のホテルへ直接向かうのではなくてどこか寄り道をしようと考えた。
仏教の六道の地獄方向のひとつは「北竹ホーム道」ではなかったかと勘違いしてしまいそうな灼熱のなか、電車を待つ。
僕の買った切符は「桃園」駅という、台北よりの時点で通過する駅。
当初の目的であった「樹林」駅も捨てがたかったが、午前中に見た限りでは樹林ではなく、ならばそれに執着する事もないかと、日本人的にはかなり俗っぽい印象を持ちやすい「桃園」にしてみた。
おそらく新橋とか五反田にもあったはずだ、「桃園」。
電車は結構混んでおり、ドアのところに段差があったり、ドア横の安心ゾーンはよくわからない手すりなどで浸食されている。
いまいち居場所を確保できないまでも、乗客はなぜか女の子が多くうれしい。
それが誰にでも感じてしまい、その感情が旅行中ということに起因する何かなのかはわからない。
ともかく、AKB48換算を行うとこの国の女の子は皆「TAIWAN∞(ムゲンダイ)」に属しているようなもので、さきほどの六道といいこのムゲンダイといい、どうもアシュラマンがちらほらする。
いや、今ブログの到着地点はアシュラマンではない。
桃園だ。