【あらすじ】
台湾旅行。
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ホテルで一息ついたのち、表でカリスマある人と合流。
夜市へ徒歩で向かう事になった。
それにしても、もう23時くらいだというのに、ホテル周辺含めて人が多い。
観光地というのもあるだろうし、誤った感覚かも知れないが、妙に安心する。
十数分ほど歩く。
すれ違う人は多いが周りに開いている店はコンビニくらいしかない。
人が多い事を除けば日本のどこかの都市と変わるところはなく、しかし暑い。
人ごみは、夜市が近いせいだろう。
夜市はこう、臆面もなく書いているが僕も台湾到着日に初めて知ったもので、話によるとさまざまなものや屋台が混在した、腸内フローラのような一角であるらしい。
夕食から時間がたっているため、少し満腹感があるが関係ない。
何か食べてみたい。
歩いていると、ふと横の路地が騒がしい。
そこが夜市であった。
周りとは一線を画す明かりの容赦なさと人ごみの多さ。
そんなフェスティバルが、歩いていて直前まで気づかない。
そのくらいの路地で行われているのである。
頭上からそのさまを見れば「血液ドロドロのイメージ映像」そして遜色ないものであろうし、前の人が進めば進まざるを得ない、そんな受動的移動がやはり液体を想像させる。
要はごった返している。
僕はここで変な帽子を探す魂胆であるが、それよりもまず人とはぐれない事を優先しなくてはならない。
もしはぐれたら、ホテルまでの道順なんて覚えていない。
ひとりこの流れをはずれ、致命的な夜を迎えることになる。
この人ごみなら、入り口ですぐ迷子にすらなれるだろう。
脳内出血である。