二度とない、とか。

前提:
初恋の人としか恋愛が成就しない世界。
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長年謎とされていた突然死について、政府と学会の共同声明が話題となっている。
その、恋愛感情を抱いたときに脳内に分泌される物質によるアナフィラキシーショックについての驚くべき報告は、例の突然死の解明だけでなく、歴史上存在したと言われる不倫、離婚という文化研究についての何らかの方向性を示すものと期待される。

三平二満

三平二満という言葉を知ってから気になっているのは、なんとなく「三平二満、一なすび」と続けたくなるという自分の節操のなさである。
三平二満というものに、僕は「おかめ、おたふく顔」の意味として知ったのだが、それ以外にも意味があるらしく、それは「完全に満たされていなくても、十分満足である事」というものらしい。
ただ、どちらにしても「三平二満、一なすび」は結構いい。
お前は完全に満たされていなくても、十分に満足であるらしいが、どうだ。
ここにはなすびがひとつだけだ。
これで満足か?。
なすびは美味であるが、それひとつでどうにかなるかと言えば、ならない。
麻婆茄子だって、3ヶほどは茄子が必要だ。
故に、ここで「一なすびでよい」ということになれば、彼は生粋の満足マイスターであり、彼を満足させないものはないだろう。
そう考えると、すごい人である、満足マイスター。
彼は天使のような人だろうか。
それとも、いまいち面白くない人だろうか。

井上陽水ライブに行く

5月9日に井上陽水のライブに行ってきた。
運良くチケットを手に入れたが、なんと平日。
突然の大雨のなか、どうにか八王子の会場につき、堪能した。
以前も書いたが、僕は昔から井上陽水が好きで、少なくともこの点については同世代と話が合わない。
音楽全般についても、歌手の代表作というよりは、それが入っているアルバムの他のものが気に入ってしまったりするので、やはり話が合わない。
井上陽水の曲の中で、僕は「鍵の数」という曲が結構好きだ。
その内容はどうとらえても「これから人生恋愛、がんばっていきまっしょい!!」という、ジュリア・ロバーツが主演してそうな映画を想像させるものではなく、結構暗い。
彼の曲の中では妙に抽象だってなく、ただ傷心じみている。
しかし、そんな経験を積んだというにはあまりに若い頃から好きなのだからしょうがない。
カラオケで歌う訳にも行かず、ときどきプレイヤーから流れてくるのを聞くくらいだ。
井上陽水はギターを持ちかえマイクを押さえ、合間に小話を交え、様々な曲を歌ってくれた。
特に小話は特徴的だ。
普通なら彼の声が特徴的だと思えるのにも関わらず、にである。
その人を小馬鹿にした話が好きなリピーターも多いだろう。
そんなライブで、彼は「鍵の数」を歌った。
そのときも「がんばっていきまっしょい!!」という内容ではなく、少年時代などの代表作と比べてもマイナーな部類に入るだろう。
しかし僕が気づいた限り、彼が何も持たず、何にも触れずに歌い上げたのは、二十数曲のうち「鍵の数」だけだった。

むかでと蛇について

昨日、むかでについてのことを書いているときにまず思い出したのは、蛇との関係についてだった。
確か昔話かなにかで、蛇とむかでが敵対関係になっている話が結構あったはず。
人間にとっては正直なところ、いずれも甲乙付けがたく気持ち悪く、例えばここに三すくみのカエル、なめくじを投入しても気持ち悪さは増大するばかり。
どちらにせよ、なぜ神はこう長いやつを産み出したのだろうか。
しかも、である。
片や長いためか、かなり密に足をつけているのに、片や足を全くつけていない。
これだけとってみても、神の適当さは他の追随を許さない。
そして適当ついでになんだが、へびの近くにむかでの足がいっぱい落ちていたら気持ち悪いがちょっとおもろい気もする。
次に思い出したのは、ずいぶん昔に体験した、近所の公園で起きた出来事だ。
それは森の中にある公園のようなところで、大雨のときにむかでが丸太の上に避難していたのを目撃したという、些細な事。
しかし子供の僕はなんとなく思った。
「むかではあんなに怖い風貌をしているが、おぼれる」
あんなに足があっても、溺れるのだ。
次に思い出したのは、ゲテモノ食いを記した本に記載されていた「むかではなぜか金属性の鋭い味がする」というものだった。
なんなんだそれは。
ただでさえロボットアニメの敵ロボに採用しやすいフォルムだというのに、本当にそんな味がするのか。
というか、やはり食べるのはいかがなものだろうか。
僕はなんとなく、むかでは足を取ったらギンビスのアスパラガスに似てるんじゃないかと思っている。
そんな、むかでのことをたくさん考えた夜、すっごくじんましんが出て困った。

むかであらわる

家の周辺は木々が多く、人に場所を説明するにはどこそこの建物、街道周辺どうこう言うよりは「近くに森あるから」が最も有力な情報になる。
そんな場所で、休日には謎の猛禽類がどこそこに巣を作ったなどとバードキャッチング達が歩道を塞ぐ。
我ながらバードキャッチングとは背の高い人たちだねと一言突っ込みつつも、緑には事欠かないここが気に入らなくもない。
ところがタイトルの通りである。
僕の田舎は九州の天草で、おばあちゃん家は後ろが山、前が海のような環境。
夜には勘弁してほしい来客が多い場所なのだが、回数は少ないとはいえ、ここもそう。
むかでが現れたのである。
それはトイレで、へとへとの状態で夜中に家に到着。
トイレに入ったらいた。
体長10cmくらいの立派な百足である。
僕は田舎で、むかでにこめかみを噛まれた事がある。
それは寝ている時、つーんと痛みが走る。
起きてみると、まくらにむかでが乗っかっていたのだ。
何かの文献によると、むかでは進行方向上にいる生物全てに対して、試しに噛んでみるとある。
それはないだろうと思いつつも、なんら敵意を持っていなかった僕のこめかみに対して噛んでみた彼を好きにはなれない。
トイレにいたやつも、ちょうど九州で見たやつのようだった。
彼はトイレの本棚を上がり詰め、さらに足場がないかとひょんひょん頭を振っている。
この、頭をひょんひょんする様は非常に気持ち悪い。
むかでがダニやごきぶりを食するという点での益虫だということを差し引いたとしても、むかでには「気持ち悪い」しか残らない。
とてもじゃないが触る事はできず、かといってほっとく事も、殺傷する事もできないわけで。
仕方なく彼が安住の地とした「プルートの人形」ともども虫かごに投入。
近くの森に逃がした。
ということで、僕の家の近くの森には、野生のプルートがいるはずである。

かめの調整

かめ1
かめ2
<写真に至る経緯>
ミシシッピニオイガメを飼い始めて三ヶ月ほど経ったのだが、ひとつ気になる事があった。
それは「水槽の床に何もない」という点。
ネットで調べてみると、砂利を入れるか何もないままか。
今のままでも問題なさそう。
ただ、底を歩くときに引っ掛けるものがないから、滑りながらの歩行になってしまう。
それは何となく颯爽感が足らず、そもそも相手がかめなものだから、それも余計に足らない。
とはいえ、砂利を敷けばいいかとなるとそうでもなく、小粒のものはかめが誤食してしまうかもしれない。
また、砂利は重いので掃除が大変。
という点で砂利を採用するのもうーん、という感じだった。
ということでレゴ。
レゴ様のゴムシート、プラスティックの板を探したのだがなかなか見つからなかった。
プラモデル屋さんや素材サイトも見たが、いまいち目的のものがない。
様々な人に聞いたりもしたが今ひとつ。
で、こうなったらそもそも希望するものを相手に説明するときに使用していた言葉「レゴみたいな突起」をそのままに、レゴでいいものはないか。
ということで探したら、あった。
板状のレゴが。
それほ2枚購入して水槽に敷いてみると、いい。
かめが突起に手足をかけ、楽しそう。
えさと間違えたのか、噛み付こうとしたりもするが、それで欠ける事もなさそう。
ただし、浮く。
板ごと浮く。
仕方ないので変な岩などを置く。
と、このへんで驚天動地の発見をする。
「下がレゴだから、レゴが組み立てられる!!」
ということで写真。
汚れやすくなるようだったらすぐ撤廃する予定。

木村、英語の勉強をすごくする。

前提:
木村、英語の勉強をすごくする。
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木村「この本、前に買っていたったやつだ」
木村「集中し過ぎで、お風呂に入りながらも文法の勉強しちゃってたったよ」
木村「昨日の夜くらいには、もう宿題終わっちゃってたった」
先生「木村、過去完了形はそういうんじゃないぞ」

アンサー

「答えの欄」が面白い。
見る環境によってはずれてしまうだろうが、とりあえずこんな感じのをテストなどで見た事ないだろうか。
A.          
こんな感じ。
アンサーは何かと問うておる。
面白いところは、「これが答えを求める力」がかなり強い点だ。
例を挙げてみよう。
=====
1.次の人には服用しないでください。
 本剤または鶏卵によるアレルギー症状を起こした事がある人。
2.服用後、乗物または機械類の運転操作をしないでください。
A.          
=====
例は、ある医薬品の箱の裏に書かれていたことを抜粋したものであるが、どうであろうか。
ただの薬の注意書きかと思いきや、問いだった。
答えを要求されている。
この場合、どうすればいいのか。
問いとは思えぬ注意書きからでも、どうにか答えを出すしかない。
なんたって、アンサーを問われているのだから。
A.庶務の石川さん   
誰なんだ石川さん。
そもそも「1と2の特徴を持つ人物を答える」ことが正なのかも分からぬ。
しかし答えねば仕方ないため、石川さんも仕方ない。
分からないまま、こういう場合の問われ方もあろう。
=====
王子さまは岩の上に腰をおろして、空の方に目をやった。
「思うんだけど」と王子さまは言った、「星が光っているのはさ、いつか人がそれぞれ自分の星を見つけるためじゃないのかな。
ほら、ぼくの星を見て! ちょうどぼくたちの真上にある・・・・・・・でも、なんて遠いんだろう!」
A.          
=====
例は集英社文庫の星の王子さまの抜粋であるが、どうだろう。
ここの答えは、普通は「星の王子さま」だろうか。
しかし、ここで「この文章が含まれる本の題名は何であるか」という問いかどうかが不明だ。
そう考えると、およそ「岩に腰をおろした王子さまのつぶやき」が「本の題名を問うている」とは思えない。
ここで答えがあるのだとしたら、おそらく問いとは思われない例文と答えのないものへの自分なりの答え。
それくらいしかない。
あまり乗り気ではないにしても、今なら僕はこうするかも知れない。
=====
王子さまは岩の上に腰をおろして、空の方に目をやった。
「思うんだけど」と王子さまは言った、「星が光っているのはさ、いつか人がそれぞれ自分の星を見つけるためじゃないのかな。
ほら、ぼくの星を見て! ちょうどぼくたちの真上にある・・・・・・・でも、なんて遠いんだろう!」
A.wtkt        
=====
で、wtktってなに?。

除乗

大きなドラッグストアで「発毛剤のテスター」があったのだが、あれはどうすればいいのだろうか。
試しにつけてみて「おー」とか言えるのだろうか。
「浸透力が違うわ」とか言えるのだろうか。
それほど広がらないため、そのコーナーを離れると、今度は植物の栄養剤が並んでいた。
あの、緑色の液体で鉢に注す感じのやつ。
発毛剤の近くに栄養剤とは、なかなか気の利いた店じゃないか。
栄養剤の置いてある棚を眺めていくと、すぐに除草剤のコーナーになっている。
これはちょっと悪意があるな。
そう思いながら、僕はガムテーブ探しに戻ったのである。

吾妻山にてうさぎにあう。

またしても福島に行ってきた。
親類がいるので、墓参りという名の遊びである。
家から福島市内までは車で5時間ほどかかるため、日帰りとなるとだいぶ朝早くから出発になる。
しかしサービスエリアでちょいちょいつまみ食いをしながらの小旅行というのは楽しいものだ。
高速道路出口付近で親類と待ち合わせ、合流。
僕は親類側の車に乗り込んで、花とお酒を購入するために別行動をとる。
そのとき、こんな話をしてくれた。
直線に長く続く道路を進んでいた時。
その正面に見える山を「吾妻山」だと教えてくれた。
僕は土地や地図というものが致命的に疎く、そして調べない。
都道府県から既にあやしく、しかしそれで人と話すのが面白いため、そのままの知識。
そういったわけだから、福島に吾妻山があることなぞつゆ知らず「ほうあれが吾妻山かえ」ととぼけるほかないのである。
その吾妻山には雪がまだらに残っている。
それを親類は「何に見える?」と聞くのだ。
あれは雪である。
そう伝えると、そうではなく、何か動物には見えないかと再度質問。
よく見ると、確かに山の起伏によって雪の残り方は抑揚を得ており、何かしらの絵柄に見えなくもない。
パノラマロールシャッハをこんなところで試されるとは。
例えばここで、僕がその残雪をブラジャーに見えてしまったとしたらどうだろう。
パノラマのブラジャーである。
視聴者はモザイクのかかった吾妻山を見て、何を思うのだろうか。
なんてことはさておき、何となくわかってきた。
うさぎに似ているのだ。
その旨伝えると、親類はまさにその通りだと言う。
どれほど市民権を得ているのかは不明だが、親類はこう続けた。
福島では吾妻山に白うさぎが見えたとき、それを春の種まきの合図としていたのだ、と。
僕はこんなタイミングで日本昔話ライクな話が聞けるものとは思っていなかったので、うれしくなってしまった。
それにしてもよかった。
さっき適当に例えた「ブラジャー」じゃなくて。
だって、なんだって「福島では、吾妻山にブラジャーが見えたら種まきのシーズンである」。
ブラジャー!!。
種まき!!。
もうたたく!!。