昨日からのつづき。
【あらすじ】
知人が何らかのヒナを拾ってきた。
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賞味期限切れのミールワーム缶詰をあきらめ、外の鳥かごを眺めてみる。
そのヒナは結構元気で、かごの中を跳ね回っていた。
いったい何のヒナなのだろうか。
近所は木に囲まれているため、ここは鳥には事欠かない。
僕は部屋に戻り、何のヒナかを調べようと思った。
すると、妙に外が騒がしい。
よく鳥が来て騒ぐ庭なのだが、それにしても騒がしい。
もちろん思い当たるフシがあるので、そっと覗いてみた。
庭はハト、オナガ、ヒヨドリがそれぞれ1から2羽で来ているようだ。
僕はてっきりその中の誰かが親なのかと思っていたのだが、ヒナはそちらを見ていない。
ヒナの視線を追うと、遠くの電線に停まっていたムクドリが鳴きながら庭近くの屋根にとまった。
それと同時に聞こえたヒナの甘えた鳴き声で、このヒナの種類は分かった。
屋根のムクドリは、人間にはどういう感情なのか性格に把握するのは難しいのだが、鳴きながら林の方へ行く。
ヒナはそれを見ながら鳴く。
それを繰り返しやっているのを見て、これなら親鳥はすぐヒナを見つけられるだろうと思った。
元気なヒナは枝を跳ね回って移動もできるだろう。
僕は知人が拾った場所だという駐車場あたりに行ってみるしかなくなった。
僕の身長と猫の限界、そして僕らの心配が晴れる高さが調和した枝を探すためである。