星新一のショートショートを彷彿とさせるSF漫画。
著 つばな氏
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どこか、ダイエーか何かのスーパーの本屋コーナーで平積みされているのを「見かけ」て、なんか面白そうだなと感じていた。
しかしそのとき、本屋には「おかずクッキング」を探しにきていただけなので、そちらに注力。
なんか気になる漫画があるという印象と「おかずクッキング」を得て、ダイエーを去ったのである。
僕はそれほど本を読まないから「なんか気になる本がある」というのは珍しいし、最近なかった。
そもそも「読んでみたいミステリーベスト10」などというものがあるが、あれは一体なんだろう。
「読んでみたい」わけだから「まだ読んでない」わけで、何をもって「読んでみたい」と思うのかが疑問だった。
思いつくのはまず「表紙」で、確かに最近かわいらしげなアニメ絵が表紙の文庫本も増えたなと。
そしてタイトル。
タイトルだけでこちらがひっくり返ってしまいそうな名書もあったりして、油断はできない。
この辺が「読んでみたい」と言わせるものなのだろうか。
しかし人に言わせると「著名な作家が書いたものだから、読んでみたい」というものもあるのではないか、ということだった。
なるほど。
このことが示すのはもちろんミーハー嗜好どうこうではなく、誰しも「著名でない人の本で、痛い目を見た事がある」ということである。
さて、気になる本があるなあと思いながらも、そのタイトルも著者も全然思い出せなかった。
唯一、著者が3文字だったことだけは覚えていたが、それだけではネットの世界で目的のものを探し出すのには少々足らず、見つからない。
気づくと、僕はダイエーの本屋コーナーへ向かっていたんだ・・・。
SFとしては古今関わらずよく扱われる内容らしい。
しかし、親しみやすい絵がついているだけでずいぶんと変わる。
読みやすいし、面白い表現を見せてくれる。
ショートショートを思い出させるが、ひとつのテーマを物語調により突っ込んでいるのも楽しい。
石黒正数氏の短編の雰囲気と似ているなと思ったら、なんか相識のようすだ。
僕が読む前から気になった理由は、おそらく「見かけの」という言葉だろう。
生物の授業が好きだった僕は「見かけの光合成」という、なんとも腑に落ちない言葉を覚えていた。
「見かけの?」
なんだ見かけのって。
「見かけの男前度」ってのがあったら、それはパーマの具合や背の高さ。
目が二重かどうかであって、真の男前度はそのことを差し引いて考えなくてはならないよ。
そう女学生に、教えてあげてよマイティーチャー。
今のは関係ないが、見かけの光合成能の「失われた方の曲線」。
あるいはバック・トゥ・ザ・フューチャーの何作目かでドクが黒板に書いた2本の現実。
「見かけの」という言葉を見て、片方が点で表現される線がくねくねと交わるさまが思い浮かんだ。
「見かけの光合成能の未来」
ちょっとおもろそうやないか。
それにしてもSFとミステリーの世界は、はまると出て来られないと聞くから怖い。
怖いから寝る。
すこしふしぎ。
評価:★★★★★