昨日からのつづき。
【あらすじ】
カブトムシのオスがいる。
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量販店にもないところをみると、9月のカブトムシのメスの需要は案外高いか、忘れられているかだ。
こうなれば天然物をと考えるが、正直なところ、自宅付近でカブトムシを見たことがない。
クヌギの木はあるのだ。
カナブンがたかる木を知っているのだ。
しかしカブトムシは見たことない。
遠い所までは行く気ないため、どうにかしてこの辺で捕まえたい。
これは本腰を入れなければいけないかと考えていると、父親がいいことを思い出した。
先日、カブトムシを捕まえるワナをテレビで紹介していたというのだ。
ストッキングにバナナを入れる。
バナナをつぶす。
焼酎をかける。
木に巻き付けておく。
うがった考え方をすると、そのひとつひとつが淫妖な雰囲気をかもし出す。
あ、ワナというのも、かなりね。
あるいは前衛的なアートに見えるかもしれない。
「男と女のラブゲームを具現化したら、結果こうなりました」でいけるかもしれない。
ともかく、似た方法は聞いたことがある。
さっそく試してみることにする。
70円で買ってきたバナナをストッキングに入れて、ぐりぐりつぶす。
なんとなくイケナイことをやっているような気分になるが、よく考えると実際にイケナイ。
これは、カブトムシが捕れたらそのままエサにしようか。
においはかなり「樹液が醗酵している」に近い。
やはり、バナナは人が食べるバナナではなくなってしまった。
ストッキングをくるくる回しながら、近所のくぬぎ林にやってきた。
さっそくカナブンの木に行ってみると、なんと切られている。
何を考えているんだ、行政は。
子供たちの人気の木だったじゃないか。
誰かハチにでも刺されたのだろうか。
それにしても切るこたないじゃないか。
切り株の上に立って追悼。
仕方ないので近くの木に2つ、ストッキングした。
やつらは深夜ではないらしい。
2時間後の20時に戦果を確認する。
雨が心配。