「あれを越えたら 海が見えるよ」
JUDY AND MARYの「おめでとう」という歌の歌詞にそうある。
生活する上でどうしても視野に海が入ります、といった環境でもないかぎり、やはり海は特別だ。
今年はつらい出来事があり、かつ最中なわけだが、それでも蛇行する道路をつぶしていっているさなかに現れる海というのは、どうしても「あ、海だ!!」と叫ばずにはいられない。
海沿い近くの街中を走行しているのだとわかっていても、それはある。
何かの団体旅行でバス貸し切りで、外なんか見ていないで遊んでいたりしたとしても、誰かの「あ、海だ!!」でみんながそっちに移動、バスが片輪走行してしまうこともある。
一方、海に対して山というのは、あまりこういうのがない。
「あ、富士山だ!!」
富士山レベルならまだいいのだが、「あ、山だ!!」だとどうだ。
天気のいい日なら、島の面積にもよるが日本中どこにいても山は見えるんじゃないだろうか。
いつも見えちゃってるから、その分海よりありがたみが少ない。
残念ながら山、そういう扱いなのである。
その例が、あれだ。
「あれを越えたら 海が見えるよ」の、あれそのものだ。
熊本駅からそこそこ遠くまで運転。
左側、山。
右側、海。
ときどき、山中。
宿まで、そんな感じが続く。
これは山を越えたと言えるのだろうか。