中央

結構文庫本を読むのだが、1ページの文章の配置を中央にしたら面白そうだと考えている。
密度の濃いページはほとんど代わり映えしないだろう。
しかしちょうど物語が終わり際。
そのため1行だけページが変わるときだと、それがさもすごく意味ありげな1文に見えそうだから。
たまたま見つけた文庫本で「1行だけのページ」がなかった。
あんがいこういうのは作家も出版社も気にしているのかもしれない。
「このページ、1行しか書いてないから、その分安くなるでしょ?」
仕方がないのでセンター1行だと面白そうな文を探してみた。
「前から知ってたけど」
そうか、前から知ってたのかーと思いが広がる。
「ってきていて」
それ以上でも以下でもない内容どころか、意味を失ってしまった分。
しかし中央に1行だけだと意味深。
もはや芸術性すら感じる。
それにしても小学校の頃「行の最初に小さい「つ」を持ってこないようにする」という教育を受けたような気がする。
この文庫本はいったいどうなってんだ。
「都度答えた」
これが1行、中央にあるページってすごい。
官能的だ。
そして食いつく。
「都度!!」
「捨てたりしていた」
今では省エネのことを考えずにはいられない。
こんなことしてないで、パソコンも消すか。

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