霧が晴れたら その1

思い出し笑いの最たるイベントは、お茶を噴き出すことだ。
それは単に見た目すごいことになるだけではなく、目の前の食事がだ液ミストにさらされることを意味している。
ある人はそれを毒霧と形容した。
毒霧は確か、あるプロレスラーが得意とした攻撃方法で、口からへんな色の液をぷーっと霧状に吐き出す。
これを浴びた相手は何らかのダメージがあるのだろう。
そして「毒霧」を披露した思い出し笑いのその人は、あだ名が「ムタ」「ライデン」などとなる。
そして話は少しだけ戻るが、お茶のミスト粒子の細かさと思い出し笑いの我慢の度合いあるいはその面白さは、比例するだろう。
僕は今までそれほどちゃんと毒霧のことを気にしていなかったが、あらためて考えてみると毒霧を噴く彼自身が一番危険なんじゃないかということに気づいた。
さすがに液そのままを口に含んだまま試合進行はできないだろうから、袋かなにかに入れているのだろうが、それでも破裂の危険は常につきまとう。
霧でも効果のある刺激物が、もれなく口内で炸裂するのである。
危険だ。
そして試合において、相手以外の危険を口の中に仕込んでおいてもよいのだろうか。
試合への集中力の数%は、確実に口の中を気にする事に費やされるに違いないだろうし。
と、夢のない話はここまで。
毒霧のインパクトはプロレス技のひとつと数えられるくらい、ちゃんと確立している。
物理的な攻撃というよりは心理的なものである気もするが、その点もよく見ればプロレス技としては数少ない「MPにダメージを与える」という、プレミアの高い技だといえよう。
次回は毒霧についてなんか考える。

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