ものごころ

「ものごころがつく」というのは、具体的にはいつごろからなのだろうか。
と、そう考えているとピンポイントな年齢を出す作業になりそうだが、そこには興味はなく、どちらかというと人によってかなり差異があるのではないかというところ。
「自分が考えるように、他の人も考えている」
人間同士の関係についての発見が「ものごころ」たる要素だとすれば、それはだいたい幼少期で落ち着きそうだ。
しかしその確立までを範疇に含めると、いきなり「ものごころはまだついていません」という26歳とかが現れてしまうかもしれない。
人生を理解し許容する姿勢がその要素だとしたら、もしかしたらほとんど「ものごころついてない」まま人生をまっとうしていたり。
一方で「ものごころついた」幼稚園児がいて、砂場で山を作っては静かにうなずいていたりする。
口癖は「それはもうわかっているんですけれど」で、ちょっと嫌な園児。
また、人生どうこうなどとそこまで行かなくても「なんとなく社会というものがどういったもので、どんなふうにやっていたら問題ないのか」がわかったとき、ものごころがつくのだとしたら、それは言い換えると「なあなあがつく」になる。
これは22歳とかで「なあなあがつく」人が多いのではないだろうか。
「いつもは横断歩道を使わず道路を横断してしまうが、パトカーの前ではそれをやらない」
なあなあがついている、良い例である。
人間関係の一片として、恋愛感情がそれにあたるとすれば、そこは心情的に「こいごころがつく」としたい。
これも人によってずいぶん差ができそうだ。
スカートめくりがその特徴的な動作だとすれば、小さい頃が「ものごころ発祥」だろうが、まあ大人でもやっちゃう人もいるわけで、まあそれほど掘り下げない。
最後に、ことばそのままの意味を考えてみる。
「ものごころがつく」
付喪神にたたられてますな。

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