ネ暗トピア
著 いがらし みきお
概要
20年くらい前の4コマ漫画。
全7巻。
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いわゆる不条理モノだが、そのオチは普遍的なものから、絶妙にズレたものと、かなり多様。
この漫画では笑うというよりも、感心させられる読者が多いに違いない。
やたら昔の作品なので、古くなった内容があるのは当然としても「感心させられる笑い」があるというのは、今でも貴重。
「これ、20年前に考えてたの?」と感嘆せずにはいられない。
今の漫画、お笑いでも「あ、これ、ネ暗トピアっぽいかも」と思うことがあるくらいから、驚き。
ブラックユーモアの代名詞として使っても、遜色はないのだ。
ただ、社会通念上、黒く塗りつぶさなくてはならない内容も少々。
本作品が復刻されるとしたら、おそらく全1巻に収まる、とは言いすぎか。
と、僕の評価対象は「本作における粘液」について。
本作品、おもしろいという人は多いけど、その原因のひとつなのかそうでないのか、登場人物の多くが粘液を出している、もしくは出す。
不条理漫画であり、しかもアングラな内容が多いとなると、出るのもしょうがないか。
その多くは「よだれ」。
よかった、よだれで。
このよだれ、たいがい口から2、3筋、流れる。
また、放射状にほとばしるパターンもあり、口が海洋生物みたくなっている描写も見られる。
もうひとつ粘液について挙げるとしたら、鼻水だ。
よかった、鼻水で。
この作品における鼻水は、上記の海洋生物方式、両方の鼻孔から垂れるダブルアクション方式、の2つで表現されることが多い。
とにかく、こんなに何かを垂らしている漫画は、あまりない。
端的にこの漫画のことを言えとなると「にやにやしながら読んだあと、手を洗いたくなる漫画」となるか。
手を洗いたくなるのは、本書を中古で手に入れたという理由だけではないのだ。
こういう漫画、最近見ないが、見ても困る
評価:★★★★★