「ん」の回避、1

しりとりに興じるなかで何が一番スリリングであるかというと、それは「ん」の回避である。
「りんご、ご、ごはん。」
「あ、んがついちゃった!!」
しりとりに油断は禁物なのではあるが、そこはヒト。
どうしても凡ミスがつきまとう。
そのときの「あばれ」としてよく用いられるのが「んの回避」だ。
「ごはん。ごはん。ごはんですよ、でお願い。」
これで「ごはん」によるしりとりの終焉は避けられ、彼の敗北は、一時的にではあるかも知れないが、無しになるのである。
しかし、僕に言わせてみれば、これはそれほど美しくない。
唐突な事故に対する緊急避難的な感じがするため、どうしても「しりとりのスリリングさ」の観点においては最良といえない気がする。
「コッペパン大好き人間 たかひろ」
あるしりとりで生まれた回答である。
ここでは2回、「ん」を回避している。
「コッペパン」と「人間」。
コッペパン

あ、「ん」だ。

コッペパン大好き人間

あ、「ん」だ。

コッペパン大好き人間 たかひろ
「しりとりのスリリングさ」を語る上で書かせない「美しい「ん」の回避」は、上記のような流れを相手に悟らせないことだ。
「あたかも一つのフレーズとして生まれました」
「さっき、実際に言ってました」
そんな風に、自然に回答できた方がいい。
その後、「あ、あいつ。さっきの回答で「ん」を2回も回避していやがる。しかも美しい」と気づく相手。
計算しつくされた「コッペパン大好き人間」に感動するだろう。
次回
「ん」の回避例。

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