タブー

「あの人に、○○は禁句よ」
そんなことを耳にすることが、ときどきある。
このとき、「何が彼にとって禁句であるか」ということが、彼の人間性をおおまかに決定づけると考えて、ほぼ間違いない。
例えば「あの人に、死ねは禁句よ」というものがあったとする。
そりゃ当たり前だとも言えるが、このことによって「彼は人間」ということが、ほぼ決定づけられるだろう。
「あの人に、その牛乳瓶の底から何が見えるのは禁句よ」
この場合、あの人はキテレツ大百科の勉三さんであることが、ほぼ決定づけられるだろう。
しかし一般的には、上記の○○に入るものが容姿に関するものばかりではないため、その点は観察力、創造性などが必要となる。
「あの人に、左利きは禁句よ」
「あの人に、電影少女は禁句よ」
「あの人に、執行猶予中は禁句よ」
「あの人に、中はジューシーは禁句よ」
「あの人に、十一時方向に敵影は禁句よ」
こうなると彼にはかなり「何かがある」のであり、それを考慮して、あなたは「禁句よ」というアドバイスを得たのである。
それなりの能力がないと、あなたは相手に失礼をかます。
「あの人に、お経は禁句よ」
「あの人に、回復呪文は禁句よ」
これはわかりやすい。
彼にはかなり「何かがあった」のである。

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