一過性治らない病気

人がときどきおちいる「面白いことが面白くない」というレクイエム。
「面白いことが面白くなくなった」ではなく、「面白いこと」自体がルーチンになってしまったような。
また、特に面白くないようなことでも何でも笑ってしまい、結局内容は問いませんでしたという、なんだか談合な感じ。
「ああこの人、これから面白いことをやろうとしているんだわ」と意識してしまうような、妙な冷めぐあい。
奇妙なものなのだけれど、誰もが一度は経験しているだろう。
どうしたら治るんだ、これ。
ちなみにこれが逆だったら「面白くないことが面白い」となり、一般的には箸の転がる世界となる。
ただ、それでもすぐに訪れる「転がる箸が面白くない」とき。
「あれ、昨日まであんなに面白かったのに。今日は転がしても面白くないな」
この病は普通、気付かないうちに治っているような気がする。
面白い人たちの創作能力は尋常ではないのだ。
しかしその分、長引くとたいそういけ好かない人間になりそうである。
そして治し方がわからない。
結局、「面白いことが面白くない」という症状に気付かなければいいのである。
「なんだか面白くないけど、特にそれで困らないのでほっといている」
そんなスタンスがいい。
さすれば「気付かないうちに治っている」ことになる。
一方「面白いことが面白くない」ことに気付いてしまっている場合。
むずかしい。
それに耐える方法は、何かしらのツールでそれをごまかすくらいしか思いつかない。
箸以外の。

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