「その動物はいきなり、多くの人を殺したので」
まじめにUMA(なんかわかってない動物のこと)について書いた本「幻の動物たち」のどこかに、こんな感じの記載があったはず。
それはたしか、昔どこかの国で大きいヘビだかトカゲだかを退治する伝説について触れたところだったか。
ところで、ここで気になるのは、そのUMAについてでも、その信憑性どうこうでもなく、とにかく「いきなり多くの人を殺した」のところだ。
ど、どうやったんだ?、動物・・・。
今、人に危害を加える可能性のある生物を思い浮かべているが、「多くの人を殺す」ヤツは思い当たらない。
ワニ、アナコンダ、サメ・・・?、ハチは抜かすか・・・。
危険そうだが、彼らでは多くの人を殺すことは難しいだろう。
例えば1匹のワニに3人の人間をあてがったとしよう。
もし3人が、なんらかの理由でワニの口の中に投身自殺をしたい人たちだったとしても、1人が目標達成中には、残りの2人は順番待ちだ。
「いきなり」にはほど遠い。
ワニのほうも、3人に対して致命的なダメージを与える全体攻撃は持ち合わせていないのではないか。
口は1ワニにつき1口しかないわけで、そこには1人間の許容しかできないはす。
しっぽも強烈らしいが、それによりなぎはらいでもいきなり死にはしないだろう。
ワニがノルマを達成するには、口にくわえーの、しっぽではたきーの、乗っかったりしーのと、かなりの有酸素運動を要求されてしまうのだ。
さらに、ここまでの話は、基本的に人間側が負の符号のついた人たちであることが前提だが、冒頭の伝説で殺された人たちは、もちろん生きる気満々だったはず。
このような考察はサメ等でも同じだ。
ゾウは、殺意さえ湧けば、かなり近い「いきなり多くの人を殺した」ができるかもしれない。
しかし、そんなのは考えたくないし、やっぱり「いきなり」部分がネックとなる。
「いきなり多くの人を殺した」。
これは、出会い頭に複数人を踏み倒せるような、そんな巨体を持つものだけができるのだろう。
伝説の「その動物はいきなり、多くの人を殺したので」は結局、そいつはすげーでかかったよ、の強調でしかないのかもしれない。
次回、もう一つの可能性。